雨台風(読み)あめたいふう

精選版 日本国語大辞典 「雨台風」の意味・読み・例文・類語

あめ‐たいふう【雨台風】

〘名〙 台風うち、特に雨の量や影響が大きいもの。
※故郷忘じがたく候(1968)〈司馬遼太郎〉「途中、雨台風のあとで道が悪く」

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デジタル大辞泉 「雨台風」の意味・読み・例文・類語

あめ‐たいふう【雨台風】

風が吹くよりも主として雨が強く降る台風。→風台風

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雨台風」の意味・わかりやすい解説

雨台風
あめたいふう

気圧配置などによる影響で、風による被害よりも大雨による被害が多くなる台風のこと。一般に、梅雨期や秋期の台風は雨台風が多い。雨台風に対し風台風があるが、明確に区分けする定義はなく、やや便宜的なものである。1947年(昭和22)のカスリーン台風や、1958年の狩野川台風(かのがわたいふう)、ともに100人近い死者・行方不明者を出した2004年(平成16)10月の台風第23号と2011年9月の台風第12号は代表的な雨台風といわれている。

饒村 曜]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雨台風」の意味・わかりやすい解説

雨台風
あめたいふう

風による被害は比較的小さく,雨による被害が大きい台風の俗称。厳密な定義はない。一般に,梅雨期や秋季の台風は風よりも雨による被害が大きい。1947年9月14~15日に関東・東北地方に大雨を降らせ,利根川荒川堤防決壊により東京都,埼玉県に未曾有の大水害を起こしたカスリン台風や,1958年9月26~28日に東海・関東地方で大雨をもたらして狩野川を氾濫させ,伊豆地方で 1000人をこえる死者を出したほか,神奈川県,東京都でも浸水崖崩れ等の大きな被害をもたらした狩野川台風は,雨台風の代表的なものである。

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世界大百科事典(旧版)内の雨台風の言及

【台風】より

…雨による災害のなかでは河川のはんらんによる洪水のほかに,山崩れ,崖崩れなど,一般に風よりもはるかに大きな災害をひき起こす。どちらかといえば,夏には強い風を伴う台風(風台風),秋には多くの雨をもたらす台風(雨台風)が多い。雨には,台風それ自身のもつ特徴からくる雨のほかに,前線があるような場合に,台風が運ぶ南からの暖かい湿った空気が前線の活動を活発にして大雨を降らせるものがある。…

※「雨台風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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