馬具の一部の名称。面繫(おもがい)などがそれぞれ交差する辻の上につけた如意宝珠ようの金具を,唐鞍(からくら)の制で雲珠と呼んだことに由来する。金具がうず高くつくられていることから,このような名称が生まれたものといわれる。したがって辻金具や三繫(さんがい)につけられたうず高い飾金具も雲珠と呼ばれるわけであるが,最近では機能的に区別し,尻繫(しりがい)の中央部におき5個以上脚をもつ金具に限定して使用することが多い。機能的に呼び分けると,雲珠,辻金具,飾金具となり,鉄環に5方向以上の革紐や織緒をかけて簡単な留金具で固定した中空のものも,名称の由来から離れて雲珠と呼ぶことになる。5~12脚をもつ例が多く,材質は金銅,金銅と鉄,鉄などで,透し彫の装飾を施した例や鈴を付けたもの,平安時代には,水晶の宝珠形を飾ったものがある。辻金具とのセットとして製作された。
執筆者:小野山 節
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…前1千年紀以前の中国では青銅製の管状十字形や笠形が多く用いられたが,漢代に紐を環状金具にかけて留める方法にかわり,5世紀には鉄地金銅張り,金銅製,鉄製の脚付半球形金具の脚に紐を鋲で留める方法が加わった。この系統に属するものは,日本では平安時代から雲珠(うず)とよばれたが,5脚以上を雲珠とし,機能的に4脚と3脚を辻金具として区別したほうがよい。紐を組み合わせるか結び合わせて辻をつくり,金具類を辻に使用しない面繫や尻繫もある。…
※「雲珠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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