雲珠(読み)ウズ

デジタル大辞泉 「雲珠」の意味・読み・例文・類語

う‐ず【珠】

唐鞍からくらとよぶ馬具の飾りで、金銅の火炎形の内に宝珠を納め、その台座尻繋しりがいにつけたもの。うんじゅ。

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精選版 日本国語大辞典 「雲珠」の意味・読み・例文・類語

う‐ず【雲珠】

  1. 雲珠
    雲珠
  2. 〘 名詞 〙 飾り馬の尻に据える唐鞍(からくら)部分品。宝珠の周辺に火炎形を配し、雲形の台にのせた馬具の一種。うず高く盛り上がった形状による名称古墳時代のものは、馬の尻繋(しりがい)のものが大きく、数本の脚が四周につけられ、それに杏葉(ぎょうよう)を装着するものもある。鉄地金銅張りのものが多い。〔十巻本和名抄(934頃)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「雲珠」の意味・わかりやすい解説

雲珠 (うず)

馬具の一部の名称。面繫(おもがい)などがそれぞれ交差する辻の上につけた如意宝珠ようの金具を,唐鞍(からくら)の制で雲珠と呼んだことに由来する。金具がうず高くつくられていることから,このような名称が生まれたものといわれる。したがって辻金具や三繫(さんがい)につけられたうず高い飾金具も雲珠と呼ばれるわけであるが,最近では機能的に区別し,尻繫しりがい)の中央部におき5個以上脚をもつ金具に限定して使用することが多い。機能的に呼び分けると,雲珠,辻金具,飾金具となり,鉄環に5方向以上の革紐や織緒をかけて簡単な留金具で固定した中空のものも,名称の由来から離れて雲珠と呼ぶことになる。5~12脚をもつ例が多く,材質は金銅,金銅と鉄,鉄などで,透し彫の装飾を施した例や鈴を付けたもの,平安時代には,水晶の宝珠形を飾ったものがある。辻金具とのセットとして製作された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雲珠」の意味・わかりやすい解説

雲珠
うず

馬具の一種。日本で上古時代の飾り馬,平安時代以後の唐鞍 (からくら) の革尻繋 (しりがい。→三繋 ) の辻の上に飾った辻金具。上古時代のものには玉 (珠) 形あるいは鈴形など金銅製のもののほか,鉄地金銅張りのものもある。名称は「うず高い金物」の意味でつけられた。平安時代には水精宝珠に火炎形台をつけた形式に決ったようである。

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百科事典マイペディア 「雲珠」の意味・わかりやすい解説

雲珠【うず】

馬具の一つ。尻繋(しりがい)の交差するところにつける金具が装飾的に発達したもの。
→関連項目馬具

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防府市歴史用語集 「雲珠」の解説

雲珠

 馬につけるかざり金具の一種で、鞍[くら]をつなぐ皮帯の交差する部分につけます。辻金具[つじかなぐ]の一部ですが、その中でも大型のものです。

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世界大百科事典(旧版)内の雲珠の言及

【辻金具】より

…前1千年紀以前の中国では青銅製の管状十字形や笠形が多く用いられたが,漢代に紐を環状金具にかけて留める方法にかわり,5世紀には鉄地金銅張り,金銅製,鉄製の脚付半球形金具の脚に紐を鋲で留める方法が加わった。この系統に属するものは,日本では平安時代から雲珠(うず)とよばれたが,5脚以上を雲珠とし,機能的に4脚と3脚を辻金具として区別したほうがよい。紐を組み合わせるか結び合わせて辻をつくり,金具類を辻に使用しない面繫や尻繫もある。…

※「雲珠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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