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唐鞍 からくら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

唐鞍
からくら

馬具の一種。唐風を模した儀礼用の。馬頭に銀面,菖蒲形 (あやめがた) を掛け,尻繋 (しりがい) ,胸繋には杏葉 (ぎょうよう) を飾り,下鞍 (したぐら) ,泥障 (あおり) には華美な透かし金物をつける。鞍橋 (くらぼね) の後輪 (しずわ) の居木 (いぎ) 先には金属製か皮製の八子 (はね) という長帯を8~12条飾る。尾には尾袋を掛け,首には頸総 (くびぶさ) をつける。平安時代から外賓の乗用にあてられ,また大嘗会の御禊行幸に供奉する諸卿,賀茂祭に参向する使いなどが用いた。

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大辞林 第三版の解説

からくら【唐鞍】

唐風の装飾をこらした儀式用馬具。外国使節の接待、御禊ごけいの行幸に供奉ぐぶする公家や春日社・賀茂祭(葵祭)の勅使などが用いた。 ↔ 大和鞍やまとぐら

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

唐鞍
からくら

飾り馬につけた鞍。平安時代に盛んに用いられた。唐風の飾りを施し、もっぱら外国の賓客や、大嘗会(だいじょうえ)・御禊(ごけい)・行幸(ぎょうこう)等に参加する公卿(くぎょう)が乗用した。このほか、とくに賀茂祭(かもまつり)、春日祭(かすがまつり)の勅使や、一部の大社では、祭礼の威儀馬としても使用された。しかし、しだいに本式の唐鞍は調達が困難になり、簡略化したものが多くなった。
 唐鞍は鞍橋(くらぼね)の構造そのものが倭鞍(やまとぐら)と異なり、幅広い居木(いぎ)に前輪(まえわ)・後輪(しずわ)を乗せた形の緊縛法を用いる。また、馬体にすきまがないほどに飾りたてる装具が特徴。遺品としては、中世のものが数点伝わっているが、奈良市の手向山(たむけやま)神社の一具(国宝)は、大滑裏(おおなめうら)に嘉元(かげん)4年(1306)修理の記録が残っており、もっとも古様で装具も完備している。これによると、唐鞍のみに用いる荘厳具(しょうごんぐ)として、馬の顔につける銀面、頭に立てる角袋(つのぶくろ)、首から垂らす天蓋(てんがい)形の頸房(くびふさ)、背に立てる雲珠(うず)、鞍橋の後部で左右に垂らす八子(はね)、赤革の三繋(さんがい)(面繋(おもがい)、胸繋、鞦(しりがい))に取り付ける多数の摂蝶(せっちょう)と杏葉(ぎょうよう)、唐尾に結んだ尻尾を飾る尾袋などがある。
 また、金銅製の大滑、唐鞍轡(からくらくつわ)、輪鐙(わあぶみ)、錦の鞍褥(くらしき)や表腹帯(うわはるび)(だん)染めの手綱、差縄、鞍覆(くらおおい)なども、似たような装具は倭鞍にも用いるが、唐鞍は特有の様式を備える。[宮崎隆旨]

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