回転速度が電機子巻線に流れる電流の周波数に比例する交流機。この比例関係を同期という。同期している場合、回転速度は、極数をP、周波数をf(単位はヘルツHz)とするとき毎秒2f/P回となり、これを同期回転数(同期速度)という(毎分では120f/P回である)。同期電動機と同期発電機をあわせて同期機とよぶ。
同期機は磁界をつくるための界磁とエネルギー変換するための電機子から構成される。回転子が界磁の役割をもつ、回転界磁形が一般的である。界磁は大型機では巻線界磁を用いるが、中小型機では永久磁石界磁も用いられる。巻線界磁は直流の電磁石と考えてよい。回転する巻線界磁への電力の供給のために電気ブラシやスリップリング(固定ブラシと組み合わせて、回転子と固定子との間を連続的に電気的に接続する導体回転リング)が必要となる。ブラシなし同期発電機はブラシやスリップリングの保守を楽にするために考えられたものである。
同期機は回転子の磁気的な形状により円筒形と突極形に分類される。円筒形とは回転子の磁気的特性が円周にわたって同一であるものである。突極形とは回転子の磁気的特性が円周の位置によって異なるものである。突極の磁気的特性とは円周上の位置によってインダクタンスが異なるということである。このような性質を突極性という。円筒形同期機のトルク(回転力)を同期トルクといい、突極性により生ずるトルクをリラクタンストルクという。
同期機には巻線形同期機のほか、永久磁石同期機、リラクタンスモーターなどがある。また同期発電機は駆動する原動機の名称を使ってタービン発電機、水車発電機、エンジン発電機などという分類がされることがある。
[森本雅之]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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