電圧計(読み)デンアツケイ

デジタル大辞泉 「電圧計」の意味・読み・例文・類語

でんあつ‐けい【電圧計】

電圧測定する計器。電流回路並列につないで用いる。直流用・交流用・交直両用などがある。ボルトメーター

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「電圧計」の意味・読み・例文・類語

でんあつ‐けい【電圧計】

  1. 〘 名詞 〙 電圧を測定する計器。原理上、可動コイル形、可動鉄片形などがあり、用途の上では直流用、交流用、交直両用などがある。ボルトメーター。〔電気訳語集(1893)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「電圧計」の意味・わかりやすい解説

電圧計
でんあつけい

電気回路の電圧を測る計器。ボルトメーターvoltmeterともいう。測ろうとする電圧の大きさの程度、直流か交流か、高周波か低周波か、測定の正確さをどの程度要求するかなどによって各種の電圧計がある。一般には測定結果を数字で表示するデジタル電圧計と、目盛りと指針とで示す指示電圧計とが使われている。指示電圧計を動作原理から分類すると、可動コイル型、可動鉄片型、電流力計型、静電型、熱電対(ねつでんつい)型などがある。おもなものを以下に示す。

[高尾利治]

デジタル電圧計

電子技術を応用したデジタル技術により、測定電圧をデジタル信号に変換し、これを数字で示す電圧計。現在広く使われている。指針型電圧計に比べて精度がよく、測定結果が数字で表示されるため読み取りの誤差がない。また、必要な場合は測定結果をデジタル信号としてそのまま外部に取り出し、ただちに計算機処理ができるなどの特長がある。

[高尾利治]

可動コイル型電圧計

直流専用の電圧計。放射状の平等磁界をつくる強力な永久磁石と、その磁界内に置かれた可動コイルからできている。可動コイルには高抵抗が直列に接続されており、測る電圧に比例した電流が流れ、コイルはその電流に比例した駆動トルクを生ずる。さらに駆動トルクによってコイルが回転すると、軸に取り付けられた制御ばねが働き、回転と逆向きの制御トルクが生ずる。制御トルクはコイルの回転とともに増すので、両トルクのつり合った位置で、コイルに取り付けられた指針は静止する。実用的には指針を速やかに静止させ、読み取りを容易にするため各種の制動が加えられる。この形式の電圧計は感度がよいうえに周囲条件の変化の影響も受けにくく、安定しているので、半導体整流器や熱電対などと組み合わせた整流器型計器や熱電対型計器として交流にも使用されている。また、各種のセンサーと併用して温度、圧力、速度などの指示計としても広く用いられている。

[高尾利治]

可動鉄片型電圧計

交流専用の電圧計。商用周波数から400ヘルツぐらいまでの交流に用いられる。測ろうとする電圧に比例した磁界内に置かれた二枚の鉄片間に発生する反発力、または吸引力を駆動トルクとして利用している。

[高尾利治]

静電型電圧計

交直両用の電圧計。互いに逆符号に帯電した二枚の電極間の引力を駆動トルクとして利用した電圧計。測定しようとする電圧源からの電流をほとんど必要としない特長がある。数キロボルト以上の高電圧の測定に用いられる。

[高尾利治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「電圧計」の意味・わかりやすい解説

電圧計 (でんあつけい)
voltmeter

ボルトメーターともいう。電源,電池などの電圧,回路の2点間の電位差の測定に用いられる計器。図にその原理を示す。電圧計としては消費電流が少なく,したがって内部抵抗の高いことが必要である。直流用には可動コイル形,交流用には可動鉄片形が多く用いられる。測定範囲を拡大,多重化するためには,可動コイル形の場合直列抵抗(倍率器),可動鉄片形の場合,直列抵抗または電圧変成器を使用する。分流器と倍率器を併用した多重範囲の電圧電流計もある。可聴周波では整流形電圧計も用いられる。kV以上の直流,交流の高電圧測定には静電電圧計が用いられる。高周波電圧の測定にはダイオードで整流,コンデンサーを充電,その端子電圧を可動コイル形計器で指示させる電子電圧計が用いられる。ダイオードとコンデンサー部をケーブルで本体と切り離し,測定部に近づけることのできるプローブ(探針)を使用することにより長い導線によって生ずる測定誤差を少なくすることができる。微小電圧計としては直流増幅器,交流増幅器が用いられる。
電気計器
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「電圧計」の解説

電圧計
デンアツケイ
voltmeter

ボルトメーターともいう.電圧測定用の指示計器をいい,使用する周波数により,直流用,商用周波用,低周波用,高周波用の区別がある.直流用としては,被測定系の電圧が比較的大きく,また内部抵抗が比較的小さい場合には可動コイル型の電圧計が用いられ,それ以外には真空管電圧計が使用される.商用周波用には可動鉄片型あるいは整流器型が,低周波および高周波用には整流器型がそれぞれ使用されるが,高インピーダンスの被測定系に対しては,いずれの場合も真空管電圧計が用いられることが多い.また,直流用には自動記録方式のものがあり,直読方式の自記電圧計と零位方式の自動平衡型電圧計とがある.同じ電圧測定器でも,手動零位方式のものは電位差計とよんで区別するのが普通である.また,電界効果型トランジスタを用いたアナログ/デジタル(A/D)変換回路によるデジタル電圧計も普及している.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「電圧計」の意味・わかりやすい解説

電圧計【でんあつけい】

ボルトメーターとも。電圧を測る計器。高感度の電流計に高抵抗を直列に接続して内部抵抗を大きくし,これと電流との積として電圧を目盛ったものが多い。特殊なものに高電圧を測る交直両用の静電電圧計がある。→電気計器

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電圧計」の意味・わかりやすい解説

電圧計
でんあつけい
voltmeter

電圧をはかる計器。電流計と主要部分の構造は同じで,直列に抵抗を加えて内部抵抗を大きくしたもの。高電圧の測定用には,球ギャップおよび静電電圧計がある。微小電圧または精密測定には電位計,電位差計がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android