電気を動力とする鉄道。蒸気やディーゼル、ガソリンなどの動力に比べて、(1)エネルギーの利用が効率的、(2)牽引(けんいん)力が強い、(3)速度が速い、(4)車両の運用効率が高い、(5)取扱いが簡単、(6)地上設備に投資が必要だが、その後の所要経費が少ない、(7)煤煙(ばいえん)や排気ガスを生じない、などが特徴である。
1879年ドイツのベルリン勧業博覧会にE・W・ジーメンスが出力2.2キロワットの小型電気機関車を出品して人を輸送したのが最初で、81年にはベルリン郊外で路面電車の営業を開始した。世界の各都市でもまず路面電車に始まり、その後、高架鉄道、地下鉄など大型の都市近郊鉄道に発展した。従来の蒸気鉄道区間でも、山岳地帯などで電力が得やすく、トンネルや急勾配(こうばい)で蒸気機関車では運転のむずかしい区間から利用され、産業の発展とともに輸送密度の高い幹線が高速輸送のために電化された。日本の都市近郊鉄道も、東武鉄道や南海電気鉄道は蒸気鉄道として発足してその後電化され、京浜急行電鉄や阪急電鉄は電気鉄道として出発している。また、日本ではJRの幹線はすべて電化されている。
[西尾源太郎]
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…他方,都市への人口の集中,都市の外延的拡大は,都市近郊・都市間(電気)鉄道を中心に私鉄の新たな発展をもたらした。すでに関西では,1907年に南海鉄道(南海電気鉄道の前身)が電化に乗り出し,10年には箕面(みのお)有馬電気軌道(阪急電鉄の前身)が開業するなど,都市近郊鉄道の発展をリードしていた。関東でも12年に京成電気軌道(京成電鉄の前身),13年には京王電気軌道(京王帝都電鉄の前身)が開業し,そして関東大震災後の24年以降には東武鉄道が電化を開始し,26年には東京横浜電鉄(東京急行電鉄の前身),27年には小田原急行鉄道(小田急電鉄の前身)が開通,また旧西武鉄道が電化新線(西武新宿線の前身)を建設し,さらに33年には帝都電鉄(京王帝都電鉄の前身)が開通した。…
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