赤外線電球(読み)セキガイセンデンキュウ

デジタル大辞泉 「赤外線電球」の意味・読み・例文・類語

せきがいせん‐でんきゅう〔セキグワイセンデンキウ〕【赤外線電球】

フィラメント温度を照明用より低く設定し、赤外線を出すようにした電球熱放射が多く、乾燥用や医療などに使用

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精選版 日本国語大辞典 「赤外線電球」の意味・読み・例文・類語

せきがいせん‐でんきゅうセキグヮイセンデンキウ【赤外線電球】

  1. 〘 名詞 〙 普通の電球よりも赤外線を多く放射するように作られている電球。フィラメントの温度を低くして赤外線の放射を多くし、ガラスは赤外線吸収の少ないものを用いてある。加熱・乾燥・暖房用。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤外線電球」の意味・わかりやすい解説

赤外線電球
せきがいせんでんきゅう

赤外線を放射させ、その性質を利用する電球。普通の電球からの放射エネルギーも大部分は赤外線であるといってよいが、赤外線電球では、フィラメントの温度を低く(色温度2000~2500ケルビン)設計し、赤外線の相対出力をさらに多くしてある。一般に反射形のものが多く、長寿命、大容量(250ワット、500ワットなど)である。赤外線電球は熱放射が多く、照射物への透過性もよいため、工業や畜産業などで加熱、乾燥、暖房などに利用されている。さらに保温効果により血液循環、汗の分泌などを促進するので、美容や医療などにも使われている。また石英管形は棒状なので、小型の加熱炉や電子複写機(コピー機)の定着、塗装乾燥、半導体製造装置などに使用されている。

 赤外線を得る手段としては、赤外線電球は効率のよい光源である。電球をハロゲン電球化したハロゲンヒーターもこの分野では普及している。

[小原章男・別所 誠]

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改訂新版 世界大百科事典 「赤外線電球」の意味・わかりやすい解説

赤外線電球 (せきがいせんでんきゅう)
infrared lamp

白熱電球からの放射はもともと赤外部に多い。フィラメントの温度を上げれば可視光が増えるが,むしろフィラメントの温度を低め(約2500K)て赤外放射,すなわち赤外線を多く発生させ,それを積極的に利用することを目的とした特殊電球を赤外線電球という。反射形と石英管形がある。赤外線による加熱は空気を暖めることなく直接物体表面に熱を供給するから熱効率が高く,加熱に時間の遅れがないので,赤外線電球による加熱や乾燥は,工業,農畜産業,医療,美容,暖房など広範囲に利用されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤外線電球」の意味・わかりやすい解説

赤外線電球
せきがいせんでんきゅう
infrared lamp

特に赤外線の放射の割合を多くした電球で,一般の白熱電球よりもフィラメントの温度をやや低くしてある。普通,反射型電球と類似の構造にしてある。赤外線には熱作用があるので,塗料の焼付け乾燥,食品の加熱などに広く用いられている。日本独特のこたつ用電球は赤外線電球の一種であり,視覚的な温暖感を強めるため,ガラス球が赤く着色されている。

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百科事典マイペディア 「赤外線電球」の意味・わかりやすい解説

赤外線電球【せきがいせんでんきゅう】

多量の赤外線を放射するように作られた電球。このため普通の電球よりフィラメント温度を低くしてある(1500〜2500K)。ガラス球の内面が反射形のもの,外部に反射傘をつけるもの,石英管を使用したもの等がある。赤外線乾燥用のほか,医療,電気ごたつ等に使用される。

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