非ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤(読み)ヒベンゾジアゼピンケイサイミンチンセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

非ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤

ルネスタ(エーザイ


《ゾピクロン製剤》


アモバン(サノフィ、日医工、日医工サノフィ)


アモバンテス(小林化工、マイラン製薬、ファイザー


ゾピクロン(東和薬品、沢井製薬、杏林製薬、キョーリンリメディオ)


《ゾルピデム酒石酸塩製剤》


ゾルピデム酒石酸塩(あすか製薬、武田薬品工業、三和化学研究所、大興製薬、大日本住友製薬、富士フイルムファーマ、日本ジェネリック、シオノケミカル、全星薬品工業、全星薬品、共和薬品工業、サンド、武田テバファーマ、武田テバ薬品、東和薬品、ファイザー、杏林製薬、キョーリンリメディオ、日医工、Meiji Seika ファルマ、辰巳化学、エルメッド、ニプロ、陽進堂、沢井製薬、高田製薬、科研製薬、日新製薬、アルフレッサファーマ、第一三共エスファ、第一三共、富士製薬工業、小林化工、東洋カプセル、大原薬品工業、エッセンシャルファーマ、日本薬品工業、日本ケミファ、皇漢堂製薬)


ゾルピデム酒石酸塩OD(エルメッド、日医工、沢井製薬、持田製薬、救急薬品工業、東和薬品、小林製薬)


マイスリー(アステラス製薬、サノフィ)


 中枢神経に作用して、眠りに導く催眠鎮静剤です。不眠症の治療のほか、麻酔の際の補助薬として使うこともあります。


 これらの薬は、比較的作用時間が短いため入眠困難(寝つきが悪いなど)に用いられます。とくにゾルピデム酒石酸塩製剤ゾピクロン製剤エスゾピクロン製剤は、即効性があり、服用してから10~15分で効果を発揮します。また、作用時間も短いため翌日に効果が残りません。ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤に比べてふらつきが残りにくく、転倒する危険が少ない薬です。


 ゾルピデム酒石酸塩製剤は、超短時間型の催眠剤で、不眠統合失調症や双極性障害に伴う不眠症は除く)に用います。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中でもっとも作用時間が長いという特徴があります。


①過敏症状発疹ほっしん発熱かゆみなど)、依存性がおこることがあります。このような症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。


 呼吸抑制、精神症状、意識障害、肝機能障害、アナフィラキシー、一過性前向性健忘(中途覚醒時の出来事を記憶していないこと)、もうろう状態などをおこすことがあります。このような症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。


②ふらつき、手足のしびれ、けいれん、頭痛、頭重感、めまい、不安、興奮などの精神神経症状、食欲不振、口やのどの渇き、吐き気嘔吐おうと下痢腹痛、便秘などの消化器症状、動悸どうき、胸の圧迫感、血圧の低下などの循環器症状、倦怠感けんたいかん(だるさ)、力が入らないといった筋緊張低下症状、むくみ・夜尿・頻尿などをおこすことがあります。


 ゾピクロン製剤では、錯感覚、口のにがみ、エスゾピクロン製剤では、傾眠、味覚異常、異常な夢、ゾルピデム酒石酸塩製剤では、振戦、筋けいれん、悪夢などがおこることがあります。


 このような症状がおこったときは、医師に相談してください。


①いろいろな剤型がありますが、内服剤は就寝前に十分な水(コップ1杯以上の水)で服用してください。服用回数と服用時間・用量については医師の指示を守ってください。


②問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告するとともに、使用前に薬の効果と副作用について医師・薬剤師からよく説明を聞き、注意事項をきちんと守ってください。


 急性閉塞隅角緑内障きゅうせいへいそくぐうかくりょくないしょう、重症筋無力症の人、薬によっては重い肝機能障害のある人、この薬の成分またはエスゾピクロンに対して過敏症がある人はこの薬を使用できません。


 また、肺性心・肺気腫はいきしゅ・気管支喘息ぜんそく・脳血管障害などで呼吸機能がひどく低下している人、心臓疾患・肝障害・腎障害がある人、脳血管障害の急性期の人、統合失調症などの精神疾患のある人は、医師に報告してください。


③妊婦、現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人はあらかじめ医師に伝えてください。


④連用すると、薬を使わないと眠れなくなることがあります(精神的な薬物依存)。薬の使用は、医師の指示に従って、正しく薬を使ってください。


⑤大量に連用していて、急に使用をやめると、けいれん・せんもう(妄想・幻覚が出て騒ぐ)・振戦しんせん(手の震え)・不眠・不安・幻覚・妄想などの離脱症状が現れます。


 医師は徐々に使用量を減らしていって中止する方法をとるはずですから、医師の許可が出るまで続けてください。


⑥副作用として、ふらつき・めまいがおこったり、効果が翌日まで持ちこされて昼間眠くなることがあります。服用後にもうろう状態や中途覚醒時のできごとを記憶していないことがあります。自動車運転や危険を伴う作業は避けてください。


⑦現在ほかの薬を使っていたり、ほかの薬を併用する必要が生じたときは、必ず医師に相談してください。薬によっては、筋弛緩剤フェノチアジン系抗精神病剤バルビツール酸系催眠鎮静剤などの中枢神経抑制剤、イトラコナゾール製剤リファンピシン製剤などと併用すると、副作用がおこりやすくなります。


⑧飲酒によって、薬が効きすぎて副作用や離脱症状がおこりやすくなります。服用中は禁酒を守ってください。


エスゾピクロン製剤ゾピクロン製剤ゾルピデム酒石酸塩製剤トリアゾラム製剤では、服用中にもうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症)がおこることがあります。入眠までや途中覚醒時の記憶がないことがあるので、注意してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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