精選版 日本国語大辞典 「面打」の意味・読み・例文・類語 めん‐うち【面打】 〘 名詞 〙① 仮面を作ること。また、その人。面打①〈人倫訓蒙図彙〉[初出の実例]「さきは面打也、そのはうをすこしの間やとふて、小町の面のかたにいたしたいといはるる」(出典:咄本・私可多咄(1671)五)「此さるのめんは、〈略〉都のめん打にうたせて参った」(出典:歌舞伎・傾城壬生大念仏(1702)上)② =めんちょう(面打)③ めん‐ちょう‥チャウ【面打】 〘 名詞 〙① 顔面を打つこと。〔文明本節用集(室町中)〕② ( 「に」を伴って副詞的に用いる ) 面と向かって行なうこと。[初出の実例]「悪事をも面打にいひて教訓する人」(出典:伊勢貞親教訓(1457‐60頃))③ 素焼の面形(めんがた)で勝負を争う子どもの遊び。めんうち。めんち。めんちうち。[初出の実例]「此戯銭をもてうつ事は意銭(ぜにうち)の名に似つかはし〈略〉近頃は瓦にて作れる小き面(めん)がた、又は紋尽しなどを用ゆ、めんてう、紋打など云へり」(出典:随筆・嬉遊笑覧(1830)四下) つら‐うち【面打】 〘 名詞 〙 =つらあて(面当)[初出の実例]「同輩のわるいことを面につらうちにわるう云て」(出典:玉塵抄(1563)一三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「面打」の意味・わかりやすい解説 面打めんうち 能面の作者をいう。室町時代に入って能,狂言面の作者は面打と称した。十作,六作,古作,中作などと呼ばれる名作の名が知られ,十作のなかには日光,弥勒,夜叉,龍右衛門,赤鶴 (しゃくづる) ,氷見 (ひみ) ,徳若らの作者があり,六作には増阿弥,春若,宝来,三光坊らの作者が伝えられる。桃山時代以後は典型的な古作の模倣にとどまり,面打も専門の家業として世襲化された。近江井関家,大野出目家,越前出目家などが江戸時代を通じて活躍している。 (→能面 ) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by