面接交渉権(読み)めんせつこうしょうけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

面接交渉権
めんせつこうしょうけん

親権者・監護者でないが,面接,訪問,文通,電話などを通じて自分の未成年の子と交流する権利をいう。一方の親が離婚により親権,監護権を失った場合や,父が自分の非嫡出子認知した場合などに問題となる。日本では明文上の規定が存在しないため否定的または消極的な見解もあるが,近時の判例はこれを認め,学説においてもその性質を自然権,親権または監護権の一権能,あるいは子の権利であるとして,積極的に認める見解が大勢を占める。しかし,あくまでも子の利益のために認められるのであるから,子の意思に反したり成長を妨げるものであってはならず,他方の親のもつ親権と調和できる範囲で認められるべきものとされている。

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知恵蔵の解説

面接交渉権

離婚後、親権者または監護者にならなかった親が、一定の範囲で子と面会や電話・文通する権利。現実には、平穏な生活が乱されるなどの懸念から、面接交渉権をいやがる親権者が多い。父母が子の意見を尊重しながら協議して定めるが、まとまらない時は家庭裁判所に調停、審判を申し立てて定める。

(吉岡寛 弁護士 / 2007年)

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百科事典マイペディアの解説

面接交渉権【めんせつこうしょうけん】

離婚(もしくは別居)した後,親権者(もしくは養育親)とならなかった方の親が,自分の未成年の子と面会・文通などをする権利。〈権〉という文字が使われているが親としての義務の要素も含むと解される。欧米の家族法では,原則的に認められる傾向にある。日本の現行法では特に明文的な根拠がないため,その法的性質や態様のあり方などをめぐって争いがある。家庭裁判所の実務では,子の監護に必要な事項または処分として家事審判の対象とされている。また,判例上,父母の婚姻が破綻して別居状態にある場合に,家庭裁判所は,民法766条(子の監護に必要な事項または処分)を類推適用して,子と同居していない親と子の面接交渉について相当な処分を命ずることができるとされている。
→関連項目共同監護

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世界大百科事典 第2版の解説

めんせつこうしょうけん【面接交渉権 right of access】

離婚後,親権または監護権を有しない親が,別れた子と面会し,あるいは手紙,電話などを通じて交渉する権利。訪問権ともいう。 面接交渉権は欧米諸国では古くから法律上認められてきた(たとえばイギリスでは1839年法以来)権利である。しかし日本では,従来,〈家〉制度的な考え方から,離婚により子と別れても,陰ながら子の成長を見守ることが真の愛情ある親の姿とされ,離婚後の親子の接触はほとんど問題とされなかったため,法律も面接交渉権を正面から認める規定をもたない。

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大辞林 第三版の解説

めんせつこうしょうけん【面接交渉権】

離婚後、子供と生活をともにしていない親と子供が面会したり、電話などで交流する権利。

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