面面(読み)メンメン

デジタル大辞泉 「面面」の意味・読み・例文・類語

めん‐めん【面面】

[名]おのおの。一人一人各自。めいめい。「一座面面
[代]二人称人代名詞。対等または目下多数の者に呼びかけるのに用いる。
「―は何事をし侍るぞと仰せければ」〈仮・伊曽保・上〉
[類語]各自一人一人めいめい各人てんでんてんでに各位

めん‐め【面面】

[代]《「めんめん(面面)」の音変化》反射代名詞自分自分自身
「人の口の端にもかからず、―の身も無事に納まる」〈滑・浮世床・初〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「面面」の意味・読み・例文・類語

めん‐めん【面面】

  1. ( 「それぞれに」の意の和語「おもておもて」に当てた「面面」を音読みしたもの )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 形動 )
    1. 一人一人別々に全部。各自。めいめい。また、そこにいる人たちや、その集団の人たち。
      1. [初出の実例]「後会其期を知らず、別の涙をおさへて面々におもむかれけん心のうち」(出典:平家物語(13C前)一二)
      2. 「風体・ぎゃうぎはめんめんかくかくなれ共」(出典:申楽談儀(1430)遊楽の道)
    2. それぞれの方面。各方面。
      1. [初出の実例]「長風海気変、面面夏雲生」(出典:寛斎摘草(1786)二・夏日仲温邀飲海亭)
  3. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 対称。対等の、または目下の多数の相手に呼びかけるのに用いる。みんな。みなみな。相手その人自身の意で、反射指示にも用いる。
    1. [初出の実例]「是身を全して敵を亡す計略也、面々如何計ひ給」(出典:太平記(14C後)三)

めん‐め【面面】

  1. 〘 代名詞詞 〙 ( 「めんめん(面面)[ 二 ]」の変化したもの )( 反射指示 ) 自分。自分自身。
    1. [初出の実例]「面々(メンメ)の夫の行方を此阿古屋に無理に知れか」(出典浄瑠璃壇浦兜軍記(1732)二)

おもて‐おもて【面面】

  1. 〘 名詞 〙 それぞれ。各人それぞれ。めんめん。
    1. [初出の実例]「かくおもておもてに、とさまかくさまにいひなさるれど」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「面面」の読み・字形・画数・意味

【面面】めんめん

各々の面。まのあたり。宋・陸游登楼〕詩 江くして、時時、白雨を吹き 樓高うして、面面、山を看る 歌聲哀怨にして、三峽に傳へ 行色淒涼にして百蠻を帶ぶ

字通「面」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android