[代]《「めんめん(面面)」の音変化》反射代名詞。自分。自分自身。
「人の口の端にもかからず、―の身も無事に納まる」〈滑・浮世床・初〉
[名]おのおの。一人一人。各自。めいめい。「一座の面面」
[代]二人称の人代名詞。対等または目下の多数の者に呼びかけるのに用いる。
「―は何事をし侍るぞと仰せければ」〈仮・伊曽保・上〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
〘名〙 それぞれ。各人それぞれ。めんめん。
※蜻蛉(974頃)中「かくおもておもてに、とさまかくさまにいひなさるれど」
〘代名〙 (「めんめん(面面)(二)」の変化したもの)(反射指示) 自分。自分自身。
※浄瑠璃・壇浦兜軍記(1732)二「面々(メンメ)の夫の行方を此阿古屋に無理に知れか」
(「それぞれに」の意の和語「おもておもて」に当てた「面面」を音読みしたもの)
[1] 〘名〙 (形動)
① 一人一人別々に全部。各自。めいめい。また、そこにいる人たちや、その集団の人たち。
※平家(13C前)一二「後会其期を知らず、別の涙をおさへて面々におもむかれけん心のうち」
※申楽談儀(1430)遊楽の道「風体・ぎゃうぎはめんめんかくかくなれ共」
② それぞれの方面。各方面。
※寛斎摘草(1786)二・夏日仲温邀飲海亭「長風海気変、面面夏雲生」
[2] 〘代名〙 対称。対等の、または目下の多数の相手に呼びかけるのに用いる。みんな。みなみな。相手その人自身の意で、反射指示にも用いる。
※太平記(14C後)三「是身を全して敵を亡す計略也、面々如何計ひ給」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報