領事裁判(読み)りょうじさいばん(英語表記)consular jurisdiction

  • りょうじさいばん リャウジ‥
  • りょうじさいばん〔リヤウジ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

領事や専門の裁判官駐在国で自国民裁判を行なった制度一般国際法上,外国人はその所在国の法と裁判権に服するが,文明または宗教上の理由によって領事裁判制度を設けて,国民がどこにいても自国法が適用されるとする属人法主義の考え方を採用したもの。しかし交通発達文化接近を促すにつれ,領域国の裁判権を制約するこの制度は,次第に廃止され,現在は存在しない。

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デジタル大辞泉の解説

領事が、本国法に基づいて、その駐在国にいる自国民の裁判を行う制度。19世紀にヨーロッパ諸国が、司法制度の確立していないアジア諸国などで行ったが、今日では廃止された。

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百科事典マイペディアの解説

領事(または一般外交官,専門の裁判官)が駐在国在留の自国人に対して行う裁判。相手国の裁判権を排除する治外法権の一種。19世紀欧米諸国がアジアやアフリカ諸国に強制して設定していたもので,現在はない。日本でも1858年安政仮条約で設けられ,1899年条約改正実施まで存在。なお,日本は1896年以降第2次大戦終了まで,中国に対して領事裁判権を有していた。→カピチュレーション
→関連項目安政五ヵ国条約ノルマントン号事件

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大辞林 第三版の解説

領事などが、駐在国において、その国に在住する自国民の裁判をする制度。一九世紀にヨーロッパ諸国がアジア・アフリカ諸国で行なったもので、今日では廃止されている。治外法権。 → 治外法権

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 領事が、駐在国で自国人を裁判する制度。治外法権の一種。多く、本国法が適用された。一九世紀に、ヨーロッパ諸国が非ヨーロッパ諸国との間で、経済的に有利な立場に立つことなどを目的として行なったが、一九世紀末から廃止されるようになった。日本は開国当時欧米に対しこれを認め、また日清戦争後の中国に対し領事裁判権を有していた。
※朝野新聞‐明治二六年(1893)六月六日「賤業婦女密航媒介事件に対する米国領事裁判の判決文左の如し」

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