飲込む(読み)ノミコム

デジタル大辞泉 「飲込む」の意味・読み・例文・類語

のみ‐こ・む【飲(み)込む/×呑み込む】

[動マ五(四)]
飲んでのどを通す。また、かまずにまる飲みにする。「生つばを―・む」「錠剤を―・む」
出そうになった言葉・あくびなどを出さずにおさえる。「口に出そうとした返事をあわてて―・む」
自然現象や大きな建造物などが、すっかり取り囲んでしまう。中に引き込んで、外に出さないようにする。「大観衆を―・んだスタジアム」「山津波一瞬うちに家々を―・む」
理解する。納得する。「すっかりこつを―・む」「状況万事―・んでいる」
[類語](1飲み下す嚥下えんか丸呑み一呑み/(4覚える学ぶ学習する習得する会得する体得するつかむマスターする身に付ける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「飲込む」の意味・読み・例文・類語

のみ‐こ・む【飲込・呑込】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
  2. 飲んで胃の方へくだす。嚥下(えんか)する。かみくだかないでそのままの形で飲みくだす。〔羅葡日辞書(1595)〕
    1. [初出の実例]「さんざんにかみこなひて、くっとのみこふでござある」(出典:虎明本狂言・柑子(室町末‐近世初))
  3. 理解する。納得する。会得する。合点する。
    1. [初出の実例]「歌の心をはやくのみこむ 鶯の黒焼入る粉ぐすりに〈玄康〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)一)
  4. 承諾する。引き受ける。
    1. [初出の実例]「証文書を渡せば、〈略〉金子渡しませふと、口にある鮹と共に早速飲込(ノミコ)めば」(出典:浮世草子・傾城歌三味線(1732)一)
  5. たかを括(くく)る。見くびる。
    1. [初出の実例]「よいか、傾城と公事はならぬものとのみこんで」(出典:浮世草子・好色万金丹(1694)三)
  6. ( 出そうなものを飲み込む意から ) おさえる。我慢する。こらえる。
    1. [初出の実例]「心底に沈んでゐた嬉しみ有難みが思ひ懸けなくもにっこり顔へ浮み出し懸った…が、ぐっと飲込んで仕舞ひ」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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