駱駝(読み)らくだ

精選版 日本国語大辞典「駱駝」の解説

らく‐だ【駱駝】

〘名〙
① ラクダ科ラクダ属の哺乳類の総称。体高二メートル以上にもなる。くびとあしが長く、角はない。背にこぶがあり、そこに食物の欠乏に耐えることのできる脂肪を貯えている。鼻孔は自由に開閉し、足の裏は柔らかいなど砂漠地帯の生活に適応する。毛色は砂色・褐色など。草食性。力が強く、おとなしい。背のこぶが一個のヒトコブラクダと、二個のフタコブラクダがあり、前者はアフリカ・アラビア・インドなどで、後者はアジア中央部などで飼育される。「砂漠の船」とよばれる砂漠地の重要な家畜で、乗用・運搬用とするほか、乳は飲料、肉は食用、毛は織物用に利用。近縁種に南アメリカ産のラマ、アルパカがある。橐駝(たくだ)。駝馬(たば)。らくだのうま。
※書紀(720)天武八年一〇月(北野本訓)「調の物は〈略〉馬狗(いぬ)(るい)駱駝(ラクタ)の類、十余種なり」
※随筆・守貞漫稿(1837‐53)一七「文政五年西域より雌雄の駱駄を貢し三都にて観物にす」 〔後漢書‐梁伝〕
② ①の毛から製した灰褐色の毛糸、毛織物。えり巻、毛布、防寒用の下着などに用いる。
※青年(1910‐11)〈森鴎外〉一二「左の腰掛の真ん中へ革包を置いて、荒い格子縞の駱駝(ラクダ)の膝掛を傍に鋪(し)いた」
③ 江戸時代、夫婦が連れ立って歩くこと。また、男女が二人連れで歩くこと。
※咄本・新板一口ばなし(1839)一五「隠居夫婦参り下向する身は らくだ」
④ 江戸時代、形ばかり大きくて品質の劣るもの。〔随筆・わすれのこり(1824)〕
[語誌](1)①は挙例のように「日本書紀」に出ているが、その詳細は不明であり、近世になって渡来したのが有名である。挙例の「守貞漫稿」には文政五年(一八二二)とあるが、「随・巷街贅説‐二」などには、文政四年六月に長崎に入港したオランダ船によって運び込まれたとある。
(2)その後、文政六年から七年にかけて大坂、江戸で見世物として興行されたが、雌雄二頭で連れ立っているさまから、③のような意味にも使われた。見世物とされた駱駝の状態が図体が大きくのんびりしているようなので、ただ食べているだけの無用の人間を「楽だ」とかけてひやかすことがあり、④の意味で使われるようにもなった。

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動植物名よみかた辞典 普及版「駱駝」の解説

駱駝 (ラクダ)

動物。ラクダ科ラクダ属の動物の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

デジタル大辞泉「駱駝」の解説

らく‐だ【××駝】

偶蹄(ぐうてい)目ラクダ科の哺乳類のうち、ヒトコブラクダフタコブラクダの総称。体は黄褐色で四肢と首が長く、背中に脂肪を蓄えたこぶが一つまたは二つある。鼻孔を自由に閉じることができるなど、砂漠の暮らしに適応し、砂漠の舟とよばれる。ともに古くから家畜とされ、ヒトコブラクダは北アフリカ・アラビア半島に、フタコブラクダは中央アジアにみられる。野生のものはほとんどない。
ラクダの毛で作った糸や織物。「駱駝のシャツ」
夫婦また男女が二人連れ立って歩くこと。
「隠居夫婦参り下向する身は―」〈咄・新板一口ばなし〉
形だけ大きくて品質の悪いもの。
「―の薩摩芋だと思ふか」〈伎・御国入曽我中村〉

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