高等学校卒業程度認定試験(読み)こうとうがっこうそつぎょうていどにんていしけん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

高等学校卒業程度認定試験
こうとうがっこうそつぎょうていどにんていしけん

高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験高卒認定高認ともよばれる。2004年度(平成16)まで行われていた大学入学資格検定大検)にかわるものとして2005年度より実施。学校教育法第90条1項の規定に基づき定められた高等学校卒業程度認定試験規則により、文部科学大臣が行う。

 受験資格は、受験する年度末までに満16歳以上で高等学校を卒業していない者と定められ、大学入学資格検定では受験が認められなかった全日制高等学校在籍者も対象となった。合格者は大学、短期大学、専門学校の受験資格を得られ、就職や資格試験などでも高等学校卒業者と同等の学力がある者として認められる。試験は年2回(8月、11月)実施し、8科目あるいは9科目(理科の科目で「科学と人間生活」以外を選択した場合、9科目になる)を必須(ひっす)とする。大学入学資格検定ではこれに加えて選択科目を1科目受験する必要があったが、新試験導入とともにこれは廃止された。また、必修であった家庭がなくなり、かわりに選択科目とされていた英語が必修となった。科目ごとに合否が判定され、一度合格した科目は次回以降受験する必要はない。大学入学資格検定で一部の科目に合格している場合、高等学校に1年以上在籍していて一部単位を修得している場合、または対象となる技能審査(実用英語技能検定、歴史能力検定など)に合格している場合はそれに応じた受験科目が免除される。高等学校卒業程度認定試験で合格した科目を在籍する高等学校で認定してもらうことも可能であるが、認定の可否、認定単位数は所属する学校ごとの判断となる。

[編集部]

『第一高等学院編『高認合格ガイド』各年版(旺文社)』

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大学事典 の解説

高等学校卒業程度認定試験
こうとうがっこうそつぎょうていどにんていしけん
certificate for students achieving the proficiency level of upper secondary school graduates

高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するために,文部科学大臣が行う試験。「高卒認定(日本)」「高認(日本)」とも。前身は大学入学資格検定(日本)(大検(日本),1951~2004年度)。2003年(平成15)に学校教育法施行規則が改正され,大学入学資格が弾力化されたため,後期中等教育を経ずに高等教育機関へ進学できる経路が大検以外にもできたことから,2005年度から高認に移行した。受験資格は「受験年度に満16歳以上になる者」のみで,大検の規程にあった数々の資格要件は撤廃された。受験科目は削減され,8~9科目が必須となった。選択科目であった英語は必須とされた。大検で一部の科目に合格している場合,高等学校に1年以上在籍していて一部単位を修得している場合,または対象となる技能審査(実用英語技能検定など)に合格している場合は,対応する受験科目が免除される。試験は年2回,8月と11月に実施。試験合格者は高等教育機関だけでなく,各種公務員試験や国家試験等の受験資格を保障される。
著者: 齋藤千尋

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

高等学校卒業程度認定試験
こうとうがっこうそつぎょうていどにんていしけん

高等学校卒業と同等以上の学力を有することを認定する試験。学校教育法(昭和22年法律26号)56条1項に基づき,文部科学省が行なう。2005年に従来の大学入学資格検定(大検)に代わり制定された。1951年に発足した大検は,当初経済的な理由で高等学校に進学できなかった勤労者への救済措置としての性格が強かったが,のちに,不登校などによる高校中途退学者や高校に進学せず大学進学資格を得る中学校卒業者などの増加に伴い,大学受験の代替手段として利用されるようになり,学制の崩壊が危惧されていた。高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)の受験資格は,受験年度の終わりまでに満 16歳以上になる者。大検との違いは,試験科目や全日制高等学校在籍者が受験できること。高卒認定試験合格者,大検合格者とも高校卒業者と同等の学力を有する者として認定され,大学,短期大学,専門学校の受験資格が与えられ,国家試験,各種資格試験においても高校卒業者と同等に扱われる。ただし,最終学歴は高校卒業とならない。合格に必要な科目数は 8~9科目。

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