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魚貝毒 ぎょかいどく fish and shellfish toxins

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょかいどく【魚貝毒 fish and shellfish toxins】

生鮮魚貝類に含まれる毒成分。魚貝類の自然毒ともいう。有毒種とされる魚貝類でも毒性には個体差が大きく,また,普通は無毒であるが生息水域や季節により有毒化するものがある。最近の研究により,これらの魚貝毒の多くは,プランクトンなどの微小生物が産生した有毒成分を食物連鎖を通じて体内に蓄積したものとの見方が強まっている。食中毒に関連してこれまで研究された主な魚貝毒を次に示す。
[フグ]
 日本の動物性自然毒中毒の大半を占め,死亡率も約50%と高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

魚貝毒
ぎょかいどく

魚類や貝類など水生動物に存在し、人間や他の動物に有害な物質をいう。魚貝毒には、これを食すると食中毒をおこさせるものと、刺されて体内に入ると激痛、けいれん、麻痺(まひ)を生じさせるものとがある。食中毒をおこす魚貝毒は、魚類からテトロドトキシン、シガトキシン、マイトトキシン、スカリトキシンが知られており、貝類からサキシトキシン、ゴニオトキシン、麻痺性貝毒、下痢性貝毒、スルガトキシン、ネオスルガトキシンが知られている。また、軟体サンゴのイワスナギンチャクの強力な毒素であるパリトキシンも知られている。
 フグ毒はフグ類のみでなく、カリフォルニアイモリ、ドクガエル、ツムギハゼ、ヒョウモンダコ、マキガイ、ヒトデ、カブトガニなどにも含まれるテトロドトキシン(C11H17N3O8)によるもので、マウス腹腔内注射のLD50(半数致死量)は8マイクログラム/キログラムである。水溶性、耐熱性の神経毒で、中毒すると30分以内に口唇(こうしん)、舌端(ぜったん)が麻痺し、ついで中枢神経が冒されて死に至る。熱帯、亜熱帯のサンゴ礁にすむフエダイ、ハタ、ウツボなどのシガテラ毒は、シガトキシン、マイトトキシンなどによるもので、海藻表面に付着した鞭毛(べんもう)藻の一種がこれらの毒をつくり、鞭毛藻を食したマキガイや草食魚、ついで肉食魚と順次毒化していく。中毒すると、低温の物体に触れると痛みを感じ、運動失調や下痢をおこす。この毒による死亡率は低いが、回復は遅い。刺されて体内に入ると障害をおこす刺毒をもつ魚類も多く、背びれ、胸びれまたは尾部の刺棘(しきょく)で毒を注入する。アカエイなどのエイ類、ミノカサゴなどのカサゴ科の魚、オニオコゼ科の魚、ナマズ目のゴンズイなどの毒が被害を与える。刺された場合の一般的な症状は、激しい痛みとはれであるが、重症の場合には吐き気、けいれん、呼吸困難、昏睡(こんすい)などがおこる。これらの毒は、タンパク質の毒だといわれる。その他の魚貝毒には、タコによるチラミンやヒスタミン、イモガイ類の棘(とげ)毒、クラゲ類の刺胞毒などがある。[望月 篤]
『山崎幹夫・中嶋暉躬・伏谷伸宏著『天然の毒』(1985・講談社) ▽橋本周久編『フグ毒研究の最近の進歩』(1988・恒星社厚生閣) ▽清水潮著『フグ毒のなぞを追って』(1994・裳華房) ▽野口玉雄・村上りつ子著『貝毒の謎――食の安全と安心』(2004・成山堂書店) ▽塩見一雄・長島裕二著『海洋動物の毒――フグからイソギンチャクまで』新訂版(2006・成山堂書店) ▽野口玉雄著『フグはフグ毒をつくらない』(2010・成山堂書店)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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