夕張山地(読み)ゆうばりさんち

精選版 日本国語大辞典 「夕張山地」の意味・読み・例文・類語

ゆうばり‐さんち ゆふばり‥【夕張山地】

北海道中南部の山地。日高山脈の西側北方に連なる。芦別岳(一七二六メートル)・夕張岳(一六六八メートル)を主峰とする。夕張炭田があり、空知川夕張川幾春別川安平川などの水源地帯である。

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デジタル大辞泉 「夕張山地」の意味・読み・例文・類語

ゆうばり‐さんち〔ゆふばり‐〕【夕張山地】

北海道中部を南北に連なる山地。最高峰芦別岳で標高1726メートル。東側に富良野ふらの盆地を臨む。

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日本歴史地名大系 「夕張山地」の解説

夕張山地
ゆうばりさんち

北海道中央部の南西域、空知地方と上川地方にまたがる山地。北は天塩山地に続き、東は上川盆地富良野盆地を挟んで石狩山地と対し、南は日高山脈に連なる。西は石狩平野により増毛ましけ山地と隔てられるほか、勇払ゆうふつ平野が広がる。当山地の北縁は一般的には空知川で画されるが、さらに北の音江おとえ山など赤平市域・深川市域南部の山地も含め、石狩川の神居古潭かむいこたん(旭川市)の先行谷で画する見方もある。富良野芦別道立自然公園に指定される。当山地を貫流する夕張川の流域は、近世はイシカリ十三場所のうちユウバリ場所であった。一八五六年(安政三年)ユウブツに至った窪田子蔵は「ユウバリ山」について「甚近し。十余里に過ぎず。山も亦高からず。然ども四方皆郊原平曠の地なれば山根より見ゆるなり」と記す(協和私役)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「夕張山地」の意味・わかりやすい解説

夕張山地
ゆうばりさんち

北海道中央南半の骨格を東の日高(ひだか)山脈とともに形成する山地。北は空知(そらち)川、南は沙流(さる)川の間を占め、南北方向の芦別(あしべつ)川―シュウパロ川の線で東西二つの傾動地塊に分けられる。東の地塊は古い神威古潭(かむいこたん)系や中生代白亜紀層の岩石からなり、中央部には芦別岳(1726メートル)、夕張岳(1668メートル)など壮年地形の山嶺(さんれい)が連なり、断層崖(がい)で東の富良野(ふらの)盆地に接する。西の地塊は第三紀層からなり、前者より高度も低くなって石狩(いしかり)平野に臨む。ここには第三紀層中の夾炭(きょうたん)層が南北に連なり、これを刻む河川沿いに石炭の露頭があり、明治以降の石狩炭田開発につながった。また河谷にはダム建設も進み電源に利用される。富良野(ふらの)芦別道立自然公園域で、1996年(平成8)「夕張岳の高山植物群落及び蛇紋岩メランジュ帯」が国の天然記念物に指定された。

[柏村一郎]

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改訂新版 世界大百科事典 「夕張山地」の意味・わかりやすい解説

夕張山地 (ゆうばりさんち)

北海道の中南部にある山地。南東の日高山脈とは金山峠,日高峠,沙流川の河谷を結ぶ線で,また北の天塩(てしお)山地とは神居古潭(かむいこたん)のある石狩川の横谷で境される。山嶺が東に偏った傾動地塊山地で,東部には芦別岳(1726m)や,夕張岳(1668m)などの急峻な山々が南北に連なり,その東側は急崖をなして上川盆地,富良野盆地に臨む。石狩平野に臨む山地西部は,西へ向かって緩やかに低くなり,南西部には由仁安平(ゆにあびら)低地を隔てて馬追(まおい)丘陵が並走する。地質は中生代白亜系を基盤とし,古第三系,新第三系などからなる。西部には古第三系の夾炭層が広く分布し,石狩炭田南半部の夕張炭田を構成する。山地の大半はエゾマツトドマツなどの森林におおわれ,夕張岳,芦別岳の標高1300m以上には高山植物が豊富にみられる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「夕張山地」の意味・わかりやすい解説

夕張山地
ゆうばりさんち

北海道南西部,上川総合振興局,空知総合振興局,胆振総合振興局,日高振興局の所管区域にまたがる南北方向の山地。東方に日高山脈が平行する。芦別川,シュウパロ川を境に東部,西部の両山地に分かれる。東部は傾動地塊で,富良野盆地に向かって急傾斜し,東麓には複合扇状地が発達。主峰芦別岳(1726m),夕張岳(1668m)など 1000m以上の山岳が連続し,壮年期の険しい山容を現す。西部は主峰の幾春別岳(いくしゅんべつだけ。1068m)を除いては,700~800mの丘陵性山地が大部分を占める。白亜紀層や古第三紀層などからなり,西部山地の石狩層群は石炭を含む。

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百科事典マイペディア 「夕張山地」の意味・わかりやすい解説

夕張山地【ゆうばりさんち】

北海道中部の山地。西は石狩平野,東は日高山脈富良野盆地に接する。中生層とそれ以前の変成岩などからなり,芦別岳(1726m),夕張岳(1668m)がある。90%は国有林で,夕張岳などに高山植物が生育。古第三紀層が分布。
→関連項目栗山[町]北海道

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