鶯亭金升(読み)おうていきんしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶯亭金升」の意味・わかりやすい解説

鶯亭金升
おうていきんしょう
(1868―1954)

戯作(げさく)者、新聞記者本名長井総太郎。旗本の家に生まれる。戯作者梅亭金鵞(ばいていきんが)の門下。雑誌『団団珍聞(まるまるちんぶん)』や改進読売、都、毎日などの各新聞社に関係した。戯作『返咲(かえりざき)園の花』や落語の作もあり、俗曲、都々逸(どどいつ)、狂歌狂句雑俳に関する著書もある。2世市川左団次小山内薫(おさないかおる)も彼に師事した。明治文壇や芸能界の事情に精通しており、没後に刊行された『鶯亭金升日記』は資料的価値が高い。

興津 要]

『花柳寿太郎・小島二朔編『鶯亭金升日記』(1961・演劇出版社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「鶯亭金升」の解説

鶯亭 金升
オウテイ キンショウ

明治〜昭和期の戯作者,新聞記者



生年
慶応4年3月16日(1868年)

没年
昭和29(1954)年10月31日

出生地
下総国八木ケ谷村(千葉県)

本名
長井 総太郎

経歴
「団々珍聞(まるまるちんぶん)」の投書家を経て、江戸の戯作者・梅亭金鵞門下となって滑稽戯文、雑俳を学び鶯亭金升を名乗る。団々社社員となり、さらに「改進」「万朝報」「中央」「読売」「都」「東京毎日」の各新聞社を転々とした。戯作者、落語作家、都々逸・長唄清元などの作詞、雑俳の宗匠としても活躍した。著書に「明治のおもかげ」があり、没後、「鶯亭金升日記」が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鶯亭金升」の解説

鶯亭金升 おうてい-きんしょう

1868-1954 明治-大正時代の新聞記者,戯作(げさく)者。
慶応4年3月16日生まれ。梅亭金鵝(きんが)の門人となり,「団団珍聞(まるまるちんぶん)」の編集にあたる。「万(よろず)朝報」「都新聞」などに戯作,落語をかいたほか,長唄,常磐津(ときわず)などの作詞をした。「鶯亭金升日記」がある。昭和29年10月31日死去。86歳。下総(しもうさ)千葉郡出身。本名は長井総太郎。

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367日誕生日大事典 「鶯亭金升」の解説

鶯亭 金升 (おうてい きんしょう)

生年月日:1868年4月8日
明治時代;大正時代の新聞記者;戯作者
1954年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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