日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶯亭金升」の意味・わかりやすい解説
鶯亭金升
おうていきんしょう
(1868―1954)
戯作(げさく)者、新聞記者。本名長井総太郎。旗本の家に生まれる。戯作者梅亭金鵞(ばいていきんが)の門下。雑誌『団団珍聞(まるまるちんぶん)』や改進、読売、都、毎日などの各新聞社に関係した。戯作『返咲(かえりざき)園の花』や落語の作もあり、俗曲、都々逸(どどいつ)、狂歌、狂句、雑俳に関する著書もある。2世市川左団次や小山内薫(おさないかおる)も彼に師事した。明治の文壇や芸能界の事情に精通しており、没後に刊行された『鶯亭金升日記』は資料的価値が高い。
[興津 要]
『花柳寿太郎・小島二朔編『鶯亭金升日記』(1961・演劇出版社)』