鶯谷(読み)オウコク

デジタル大辞泉 「鶯谷」の意味・読み・例文・類語

おう‐こく〔アウ‐〕【×鶯谷】

《「詩経小雅伐木から》うぐいすが谷にいること。また、鶯のすむ谷。転じて、世の中にまだ名も知られず出世もしないこと。⇔鶯遷おうせん

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精選版 日本国語大辞典 「鶯谷」の意味・読み・例文・類語

おう‐こく アウ‥【鶯谷】

〘名〙 (「詩経‐小雅・伐木」の「伐木丁丁、鳥鳴嚶嚶、出幽谷、遷于喬木」から) ウグイスが谷にいること。また、その谷。転じて、世にまだ名も知られず、出世もしないこと。→鶯遷(おうせん)。〔駱賓王‐上兗州崔長史啓〕

うぐいすだに うぐひす‥【鶯谷】

東京都台東区北西部、谷中五~七丁目通称。かつては谷中の霊梅院付近の谷に鶯がおり、この名がついた。正岡子規など多く文人が居をかまえた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶯谷」の意味・わかりやすい解説

鶯谷
うぐいすだに

東京都台東区(たいとうく)北西部、JR山手(やまのて)線、京浜東北線駅名(1912年開設)、およびその付近の通称名。現在、暗渠(あんきょ)になっている音無(おとなし)川が駅の近くを流れていて、ウグイスの名所となっていたのを駅名にしたものという。現在の鶯谷にはそのおもかげをしのぶものはなにも残っていない。上野公園の裏玄関にもあたり、北部には江戸時代から文人墨客が多く住んで根岸の里(ねぎしのさと)(初音の里(はつねのさと))とよばれた風雅の地がある。

[菊池万雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鶯谷」の意味・わかりやすい解説

鶯谷
うぐいすだに

東京都台東区北西部にある JR東日本の京浜東北線山手線の駅名。上野恩賜公園の裏玄関にあたる。山ノ手下町の境に位置し,徳川家霊廟に隣接北東に根岸の里(鶯渓)があり,第2次世界大戦前の東京の面影が残る。付近には寺院が多く,谷中霊園近い

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