出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
歌舞伎(かぶき)用語。上演台本のうち、名台詞(せりふ)だけを部分的に抜き出したもの。本来は俳優の声色(こわいろ)を覚えるための小冊子で、声色本(こわいろぼん)ともいった。この種の本は1670年(寛文10)ごろから刊行されていたが、1772年(安永1)京都の大津屋友吉が、オウムが答えるように音を反響させる鸚鵡石という石から思い付き『物真似狂言(ものまねきょうげん)鸚鵡石』の題を使って以来、声色本の総称のようになり、役者の似顔絵などを入れて出版されるようになった。明治後期以後、この種の本の刊行は衰えたが、名台詞の抜き書きを鸚鵡石とよぶ習慣は残り、いまでも公演のパンフレット類に載せることがある。
[松井俊諭]
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…その内容は,名のり,つらね,六方詞をはじめ,もの尽し,物売,早口,地口,掛合,敵討物語,意見のせりふ,《暫》のせりふ,《助六》の男達(おとこだて)のせりふなど種々のものがある。以後,〈せりふ尽し〉の刊行はしだいに盛んとなり,声色(こわいろ)本として,安永(1772‐81)初年には〈鸚鵡石(おうむせき)〉が,明治になってからは〈影芝居〉などの刊行をみるに至った。なお,テキストには,稀書複製会本に,《六方こと葉》(1673),《せりふ大全》(1709ごろ)などがある。…
※「鸚鵡石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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