岸本由豆流(読み)キシモトユズル

デジタル大辞泉 「岸本由豆流」の意味・読み・例文・類語

きしもと‐ゆずる〔‐ゆづる〕【岸本由豆流】

[1788~1846]江戸後期の国学者。江戸の人。通称大隅。号は𣑊園やまぶきその村田春海門人で、古典考証注釈に努めた。著「土佐日記考証」「万葉集攷証」など。

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精選版 日本国語大辞典 「岸本由豆流」の意味・読み・例文・類語

きしもと‐ゆずる【岸本由豆流】

  1. 江戸後期の国学者。本姓、朝田。通称、大隅(たいぐ)。号は𣑊園(やまぶきその)。名は弓弦とも書く。江戸の人。一説に、伊勢の人とも。村田春海に師事し、狩谷棭斎村田了阿らの影響を受け、古典の考証的研究にすぐれる。歌人蔵書家としても知られ、著に「後拾遺和歌集標注」「万葉集攷証」「土佐日記考証」など。天明八~弘化三年(一七八八‐一八四六

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岸本由豆流」の意味・わかりやすい解説

岸本由豆流
きしもとゆずる
(1789―1846)

江戸後期の国学者。山東京伝作『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』のモデルに擬せられている江戸・白銀(しろかね)町の幕府御弓弦(ゆみづる)師岸本讃岐(さぬき)(本姓朝田)の子。通称大隅。号は園(やまぶきその)。村田春海(はるみ)の没後門人。『万葉集考証』(1828成立)、『土佐日記考証』(1818刊)、『鳴門中将物語考証』(1817刊)など多数の著書がある。1820年(文政3)玉川座の芝居の金主となり、評判になった。弘化(こうか)3年閏(うるう)5月17日没。58歳。墓は東京都練馬(ねりま)区練馬の林宗院に現存。稿本類は静嘉堂(せいかどう)文庫などに所蔵

[梅谷文夫]

『大川茂雄・南茂樹編『国学者伝記集成』(1904・大日本図書/復刻版・1967・名著刊行会)』

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改訂新版 世界大百科事典 「岸本由豆流」の意味・わかりやすい解説

岸本由豆流 (きしもとゆずる)
生没年:1789-1846(寛政1-弘化3)

江戸末期の国学者。伊勢国朝田村の出身。通称は讃岐。号は𣑊(やまぶき)園,尚古考証園。弓弦師岸田家を継ぎ江戸に住す。村田春海(はるみ)の門人として考証学に長ずる。また,典籍の収集家としても著名で,その蔵書は3万巻に及んだという。晩年は浅草聖天町に隠居し著作のかたわら狩谷棭斎,市野迷庵,村田了阿,北静盧らと親交を結んだ。著書に《万葉集考証》《土佐日記考証》《後撰和歌集標注》など。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岸本由豆流」の解説

岸本由豆流 きしもと-ゆずる

1788-1846 江戸時代後期の国学者。
天明8年生まれ。幕府弓弦師(ゆみづるし)岸本讃岐(さぬき)の子,一説には養子。村田春海(はるみ)没後,門人にくわえられる。3万巻の蔵書をもちい,平安朝・中世文学の文献学的な考証をおこなった。弘化(こうか)3年閏(うるう)5月17日死去。59歳。本姓は朝田。通称は大隅(たいぐ)。号は〓(“木へん”に「在」)園(やまぶきぞの)。名は別に弓弦。著作に「万葉集攷証」「土佐日記考証」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岸本由豆流」の意味・わかりやすい解説

岸本由豆流
きしもとゆずる

[生]寛政1(1789)
[没]弘化3(1846)
江戸時代後期の国学者,歌人。村田春海の弟子。主著『土佐日記考証』 (1819) ,『万葉集考証』 (28) ,『和泉式部家集標註』など。

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