黒松内(読み)くろまつない

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒松内」の意味・わかりやすい解説

黒松内(町)
くろまつない

北海道西部、後志(しりべし)総合振興局管内の町。1959年(昭和34)三和(みわ)村が町制施行して成立。町名はアイヌ語「クル・マツ・ナイ」(和人の女の多くいる沢)に由来する。JR函館(はこだて)本線、国道5号、37号、229号が通じ、道央自動車道黒松内インターチェンジがある。黒松内低地帯を北流して日本海の寿都(すっつ)湾に注ぐ朱太(しゅぶと)川流域が農地で、糯米(もちごめ)、ジャガイモトウモロコシ、長ネギなどを産する。乳牛、肉牛飼育も行う。春から夏にかけては東の太平洋内浦(うちうら)湾の海霧の影響で低温、冬は日本海からの北西風によって降雪が多い。歌才(うたさい)のブナ自生北限地帯は国指定天然記念物。面積345.65平方キロメートル、人口2791(2020)。

[瀬川秀良]


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改訂新版 世界大百科事典 「黒松内」の意味・わかりやすい解説

黒松内[町] (くろまつない)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁寿都(すつつ)郡の町。渡島(おしま)半島の付け根の内陸に位置する。人口3250(2010)。地名はアイヌ語の〈クルマッ・ナイ〉(和人女性の・沢)に由来する。1871年(明治4)道南の伊達紋別より伊達家の家臣が入植してから開拓が始まった。朱太(しゆぶと)川上流と黒松内川流域の狭い平地が農耕地として利用されているが,気候に恵まれず,零細規模の農家が多い。山地の斜面や丘陵地では酪農が行われている。近年は社会福祉の町として発展することを目指しており,特別養護老人ホームなど老人福祉施設,精神薄弱児施設,児童母子施設などが多い。市街地南東4kmの歌才(うたさい)はブナ自生の北限地帯で,天然記念物に指定されている。JR函館本線が通じ,町域東部には道央自動車道の黒松内ジャンクションとそのインターチェンジがある。
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百科事典マイペディア 「黒松内」の意味・わかりやすい解説

黒松内[町]【くろまつない】

北海道寿都(すっつ)郡の町。内浦湾と寿都湾にはさまれた渡島(おしま)半島の地峡部を占め,函館本線が通じる。酪農を中心とした農業を営み,もち米,ジャガイモなどを産する。歌才(うたさい)はブナの自生北限地(天然記念物)。345.65km2。3250人(2010)。

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