嵐音八(読み)あらしおとはち

改訂新版 世界大百科事典 「嵐音八」の意味・わかりやすい解説

嵐音八 (あらしおとはち)

歌舞伎俳優。幕末までに4世あるが,詳細は不明。初世のみ著名。初世(1698-1769・元禄11-明和6)は京都の生れ。大坂竹田芝居で初舞台を踏む。1732年(享保17)江戸に下り,34年道外方(どうけがた)になる。以後演技特徴のある容貌とにより人気を博し,三都道外方随一と評される。かたわら江戸人形町に鹿の子餅の店を経営し,これも好評戯作題材になっている。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「嵐音八」の解説

嵐音八(初代) あらし-おとはち

1711-1769 江戸時代中期の歌舞伎役者
正徳(しょうとく)元年生まれ。初代嵐三五郎に入門,享保(きょうほう)17年江戸にでて道外方(どうけがた)として活躍した。当たり役は「合槌十二段」の金売吉次など。江戸人形町で鹿の子餅(かのこもち)の店を経営した。明和6年3月25日死去。59歳。一説享年は72歳(元禄11年生まれ)。京都出身。初名は嵐音之助。俳名は和考。屋号蛭子(えびす)屋。

嵐音八(2代) あらし-おとはち

?-? 江戸時代中期-後期の歌舞伎役者。
初代嵐音八の次男。4代坂東又太郎の弟。2代嵐三五郎の門下。明和7年(1770)2代嵐音八を襲名。道外方(どうけがた),敵役を得意とし,京都,大坂,江戸で活躍した。文化年間(1804-18)に没したという。初名は嵐彦吉。俳名は三風,和考。屋号は蛭子(えびす)屋。

嵐音八(3代) あらし-おとはち

1786-1855* 江戸時代後期の歌舞伎役者。
天明6年生まれ。2代嵐音八の子。父の跡をつぎ3代目を襲名。江戸中村座で立役(たちやく),若衆方,道外方(どうけがた)をつとめた。安政元年12月8日死去。69歳。前名は嵐和三郎(初代)。俳名は和考。屋号は蛭子(えびす)屋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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