飯田 新七(4代目)(読み)イイダ シンシチ

20世紀日本人名事典 「飯田 新七(4代目)」の解説

飯田 新七(4代目)
イイダ シンシチ

明治〜昭和期の実業家 高島屋創立者。



生年
安政6年(1859年)

没年
昭和19(1944)年2月3日

本名
飯田 鉄三郎

経歴
2代目新七の二男に生まれる。明治21年兄・3代目新七引退により家督相続する。高島屋呉服店支店大阪・東京に出店するなど事業を拡大し、42年高島屋飯田合名会社に改組し社長となる。更に大正8年株式会社高島屋呉服店に改組し、一旦相談役に退くが、昭和2〜17年社長に就任。この間、5年高島屋と改称し本格的な百貨店に発展させた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「飯田 新七(4代目)」の解説

飯田新七(2代)

没年:明治11.9.9(1878)
生年:文政10(1827)
江戸末期・明治初期の商人京都の香具商上田家に生まれ,幼名は直次郎。呉服商に奉公し,嘉永4(1851)年飯田家に入婿,新太郎と改名。翌年家督を継ぎ2代新七を襲名。安政2(1855)年家業を呉服木綿商に転換させて高島屋の基礎を築いた。「自利利他」の精神を守り,仕入先との良好な関係をつくって良品廉価販売を貫いた。博覧会への出品,外商との美術織物の取引,段通店の開店など,進取性を発揮して業容を拡大する一方,店員身分制度を導入して組織を整備した。<参考文献>高島屋150年史編纂委員会編『高島屋150年史』

(前田和利)


飯田新七(初代)

没年:明治7.7.29(1874)
生年:享和3(1803)
江戸後期の商人で,百貨店高島屋の店祖。越前国敦賀(福井県敦賀市)の中野家に生まれ,幼名は鉄次郎。京都の呉服商に奉公し,この間新七と改名。文政11(1828)年烏丸松原上ルの米穀商・高島屋飯田儀兵衛に入婿。屋号は出身地の近江国(滋賀県)高島郡にちなんでいる。古着の行商を始め,天保2(1831)年古着木綿商「たかしまや」を開業。良品・廉価販売,正札掛値なしを経営方針に,幕末の動乱期に機動性を発揮し,新興商人としての基盤を固めた。<参考文献>高島屋150年史編纂委員会編『高島屋150年史』

(前田和利)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「飯田 新七(4代目)」の解説

飯田新七(初代) いいだ-しんしち

1803-1874 江戸時代後期の商人。
享和3年生まれ。百貨店の老舗(しにせ)高島屋の創業者。京都の呉服商に奉公し,文政11年米穀商飯田儀兵衛の婿養子となる。天保(てんぽう)2年古着・木綿商をひらき,養父の出身地近江(おうみ)(滋賀県)高島郡にちなんで「たかしまや」を屋号とした。明治7年7月29日死去。72歳。越前(えちぜん)(福井県)出身。本姓は中野。初名は鉄次郎。

飯田新七(4代) いいだ-しんしち

1859-1944 明治-昭和時代前期の実業家。
安政6年生まれ。2代飯田新七・飯田歌子の次男。明治21年兄の3代新七から家督を相続。大阪,東京に店舗をかまえ,42年個人経営を高島屋飯田合名会社に改組して社長となる。大正8年株式会社高島屋呉服店を設立,昭和5年高島屋と改称し,本格的な百貨店に発展させた。昭和19年2月3日死去。86歳。初名は鉄三郎。

飯田新七(2代) いいだ-しんしち

1827-1878 幕末-明治時代の商人。
文政10年生まれ。京都の香具商上田七右衛門の次男。呉服商に奉公後,初代飯田新七の長女歌子の婿となり,嘉永(かえい)5年家督をつぐ。安政2年古着商をやめて呉服商に転業。西陣などの織物業者や染色業者と提携し,高級呉服店高島屋の地歩をかためた。明治11年9月9日死去。52歳。初名は直次郎。

飯田新七(3代) いいだ-しんしち

1853-? 明治時代の商人。
嘉永(かえい)6年生まれ。2代飯田新七・飯田歌子の長男。明治11年たかしまや呉服店をつぐ。上流階層に顧客をふやし,明治20年の皇居造営の際,調度装飾などの注文をうける。同年貿易部を設置。翌21年引退して家督を弟の鉄三郎にゆずった。初名は直次郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の飯田 新七(4代目)の言及

【高島屋[株]】より

…本社大阪市中央区。1831年(天保2)飯田新七が京都烏丸に木綿商高島屋を個人創業したことに始まる(現在も同族色が濃い)。屋号は飯田家の出身地江州高島郡にちなむ。…

※「飯田 新七(4代目)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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