気象庁の地域気象観測システムAutomated Meteorological Data Acquisition Systemの略称。1974年(昭和49)から運用を開始した。全国(離島を含む)約1300か所に配置された自動観測所から電話回線を利用して観測値を自動的(10分ごと)に気象庁内の地域気象観測センター(アメダスセンター)に集めている。アメダスセンターは、観測値の品質管理を行ったうえで、全国各地の気象官署や防災機関や報道機関、民間気象事業者等に送っている。
観測所のうち約850か所(ほぼ21キロメートル四方に1か所の割合)は雨量、風、気温、日照を観測し、ほかは雨量のみを観測する。多雪地帯においては、約300か所に超音波積雪深計を設置して積雪の深さを観測している。降雪量は、有人の観測所では「雪板(ゆきいた)」とよばれる板に雪を積もらせておき、観測時間に雪の深さを計り、次の観測のために雪を払っておくという方法で求めるが、アメダスでは、1時間間隔で積雪の深さの差をとり、増えた場合のみの値を合計することによって降雪量を求めている。2006年(平成18)からは、航空地方気象台など空港での観測値もアメダスに取り込まれている。また、2008年3月からは最大瞬間風速の観測を開始し、気温の観測間隔を短くして最高気温や最低気温をきめ細かく観測している。
[安田敏明・饒村 曜]
『全気象労働組合編『天気予報はどうなっているか』(1988・大月書店)』▽『NHK放送文化研究所編『NHK気象ハンドブック』改訂版(1996・日本放送出版協会)』▽『坪田幸政・吉田優著『インターネット気象学』(2002・クライム気象図書出版部)』
Automated Meteorological Data Acquisition Systemの略で,小規模の気象現象を観測するために1974年から気象庁が日本全国に展開した自動気象観測システム。正式の名称を地域気象観測システムという。AMeDASは全国の各地に設置されている自動気象観測所と,そこで観測された気象資料を集配信するセンター(東京都千代田区大手町所在)とで構成されている。自動観測所とセンターの間は電話回線で結ばれていて,観測された資料は毎正時に自動的にセンターに集められ,そこでコンピューターを使って処理されて,気象庁,管区気象台,地方気象台などに配信される。変化の急な現象を監視して予報・警報に役立っている。また,通信回線を通じて,防災機関や報道機関などに送られ,利用されている。自動観測所は全国に約1300あり,平均300km2に1ヵ所の割合となっている。雨量はすべての観測所で測定されるが,そのうちの約840の観測所では風向,風速,気温,日照時間も測定される。また積雪の多い地方にある約200の観測所では積雪の深さも測定される。風向(1分間平均値),風速(10分間平均値),気温,積雪深は,それぞれ観測時刻における値が自動的に測定される。雨量は観測時刻までの積算値が自動的に測定され,センターに集信された後にコンピューターによって1時間雨量,3時間雨量などが計算される。日照時間についても同様な処理が行われている。
執筆者:清水 逸郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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「アメダス」のページをご覧ください。
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