1930~40年代に中国国民党の極右を代表した政治結社。藍衣社(らんいしゃ)とともに蒋介石(しょうかいせき/チヤンチエシー)を中心とする四大家族(しだいかぞく)の政治支配を支えた。その名前は中心人物の陳果夫(ちんかふ/チェンクオフー)・陳立夫(ちんりっぷ/チェンリーフー)兄弟の陳Ch'enからとったといわれる。対立する組織に対しては公然とテロを行うとともに、国民党の党組織、新聞・出版事業、農業のための土地投資、農具・種子などを独占的に支配。日中戦争後の内戦で人民解放軍の総反攻により崩壊した。
[加藤祐三]
『許滌新著、山下龍三訳『官僚資本論』(1953・青木書店)』
中国,民国時代の政治結社。陳果夫・陳立夫兄弟を頭とし,CC団の名称も陳兄弟の頭文字(陳Chén)からきたとも,また彼らが上海に作ったCentral Clubの頭文字からきたともいわれる。兄弟は陳其美の甥で,その関係から蔣介石に近づき,国民党の組織部長などの地位を利用して,1927年蔣介石を首領とし,それに反対する党派の排撃と蔣の独裁を目的とするCC団を組織した。CC団は国民党内における蔣介石の支配権確立の一支柱となり,逆に蔣介石と陳兄弟の勢力拡大に応じて発展し,そのもとに多くの人物を含むにいたった。その関係者は江蘇省の行政関係の要職を占める一方,文化,言論,出版関係において圧倒的な支配力を持っていた。のちには,中国農民銀行を中心に,農村関係会社多数を支配し,CC系財閥として四大家族財閥の一つとなった。
執筆者:川井 悟
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中国国民党の非軍人党員の秘密結社。名称の由来には諸説があってはっきりしない。軍人党員の秘密結社藍衣社(らんいしゃ)と権力争いをしながらも,両者は蒋介石(しょうかいせき)の反共独裁政治の維持強化の支柱となった。教育・文化界などに,また長江下流域や農村地主・郷紳(きょうしん)層に勢力を持ち,その中心人物である陳立夫(ちんりっぷ)・陳果夫(ちんかふ)兄弟は中国四大官僚財閥の一つにまでのし上がった。
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…南京国民政府は,成立当初,浙江財閥の支持と援助の下にあったが,世界不況と国内戦争遂行過程において,中央銀行の発展,経済建設,幣制改革,公債政策によって,逆に浙江財閥に対する主導権を確立した。この過程で,軍事委員会委員長であった蔣介石は経済の軍事化・統制化によって支配権を拡大し,宋子文,孔祥熙は財政部長・中央銀行総裁であることを利用して多数の銀行,工場,会社を支配し,陳兄弟はCC団を利用して多数の銀行,出版関係機関を支配した。彼らの独占・支配は日中戦争とその後の内戦時期に,その腐敗性をも深化させつついっそう拡大・発展したが,1949年の革命によってその財産を没収された。…
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