開発援助委員会Development Assistance Committeeの略称。OECD(経済協力開発機構)の下部機関として,先進国の発展途上国に対する援助政策の調整機能を果たしている。DACの前身は,1960年にOEEC(ヨーロッパ経済協力機構。アメリカの欧州に対するマーシャル・プランによる援助の受入れ機関)内に設置されたDAG(Development Assistance Group,開発援助グループ)であり,61年にOEECがOECDに編成替えされたのを契機に,DAGからDACに改組された。現在の加盟国は,オーストラリア,オーストリア,ベルギー,カナダ,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,イタリア,日本,オランダ,ニュージーランド,ノルウェー,スウェーデン,スイス,イギリス,アメリカ,アイルランド,スペイン,ポルトガル,ルクセンブルクの21ヵ国と1委員会(EU委員会)である(1996)。
DACの組織は,(1)上級会議,(2)本会議,(3)各作業部会(援助資金部会,援助需要部会,統計問題グループ)からなる。本会議および作業部会で,加盟国の援助努力や政策について検討する年次審査を中心として,援助実績統計作成に関する作業,各国の経済協力に関する情報の交換など多岐にわたる政策調整を行っている。毎年秋には上級会議が開催され,援助政策遂行に関する勧告(援助資金量の拡大や援助条件の緩和などが中心)が行われるなど,各国の経済協力政策の展開に多大の影響を与えている。
→経済協力
執筆者:松井 謙
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…official development assistanceの略語で,日本では〈政府開発援助〉と呼ばれている。ODAという言葉が登場したのは1969年のことで,OECD(経済協力開発機構)の下部機関として1961年に設置された開発援助委員会(DAC)による定義においてである。DACは,途上国向けの〈資金の流れ〉を次の四つに分類している。…
…かつては経済援助economic aid,economic assistance,開発援助development assistanceといういい方(後者のほうが新しい)が一般的で,第2次大戦後から1950年代にかけて,〈援助aid,assistance〉といういい方が開発経済学の文献で多く使用されたが,60年代に入ってからは,援助する側と援助される側が対等であるというニュアンスをこめて,南北間の経済協力economic co‐operationまたは開発協力development co‐operationといういい方が一般的になってきている。
[経済協力の制度と仕組み]
先進国から発展途上国への支援は通常2国間で行われ(2国間援助bilateral assistance),先進国の援助政策調整のフォーラムとしてDAC(ダツク)(開発援助委員会。OECD(経済協力開発機構)の下部機構)が結成されている。…
※「DAC」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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