電力を用いて洗濯を行う機器。洗濯を補助する道具は古くから考えられていたが,1869年アメリカで特許されたものに,円筒状のタブの底についた4枚羽根が水をかくはんする手動式の洗濯機があり,これが現在の方式の原型といえる。1900年ころ電動機が応用され,20年代には脱水までの過程が自動化された。日本では1930年に国産化した。槽内の翼が左右に半回転するかくはん式であったが,高価なため普及しなかった。53年に噴流式,翌年に渦巻式が登場,ともにパルセーターにより水流を起こすもみ洗い型で,機構が単純なうえ,洗濯時間が短いなどの利点をもち,電気洗濯機の主流となった。遠心脱水機付き二槽式は60年,全自動型は65年ころから量産された。一般家庭への普及率は1960年21%,現在は99%に達している。アメリカでは現在でも布傷みが少なく,大量洗濯が可能なかくはん式が一般的である。ヨーロッパではドラムが垂直に回転して叩き洗いする回転ドラム式が普及しているが,これは洗液が少量ですむ。
執筆者:西村 和代
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…さらにこれら手動式のものからエンジンを利用しての洗濯機が生まれたのは,1861年,アメリカにおいてであった。20世紀初頭にはやはりアメリカで電気洗濯機が売り出された。
【洗濯の原理】
洗濯は水とセッケン・洗剤と機械的力の作用で行われる。…
※「電気洗濯機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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