クロロエタン(読み)くろろえたん(英語表記)chloroethane

デジタル大辞泉 「クロロエタン」の意味・読み・例文・類語

クロロエタン(chloroethane)

有機塩素化合物一種エタン水素原子1個を塩素原子に置き換えたもの。劇物。甘い香りをもつ無色気体。かつてガソリンに添加されたテトラエチル鉛原料として利用された。化学式C2H2Cl モノクロロエタン。塩化エチル

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロロエタン」の意味・わかりやすい解説

クロロエタン
くろろえたん
chloroethane

ハロアルカンハロゲン化アルキル)の一つ。常温・常圧でエーテル臭のある気体。塩化エチルともいう。圧縮すると液化し無色液体となる。工業的には、塩化水素、光の存在下で塩素によりエタンの水素原子1個を塩素原子で置換するか、塩化アルミニウム触媒を用い、35℃、3気圧でエチレンに塩化水素を付加するかして製造する。緑色の炎をあげて燃え、塩化水素を発生する。冷凍機の冷媒、低温での溶媒殺虫剤、テトラエチル鉛の原料、種々の有機化合物にエチル基-C2H5を導入するエチル化剤、局所麻酔剤として用いられる。可燃性であるので、密封し、熱、光を避ける必要がある。

[谷利陸平]

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化学辞典 第2版 「クロロエタン」の解説

クロロエタン
クロロエタン
chloroethane

ethylchloride.C2H5Cl(64.52).CH3CH2Cl.常温,常圧では気体であるが,加圧冷却により容易に液化する.融点-138.3 ℃,沸点12.3 ℃.0.9214.エタノールやエーテルに可溶.有機合成のエチル化剤,冷媒,殺虫剤,あるいは麻酔剤などにも使われる場合もある.[CAS 75-00-3][別用語参照]ハロゲン化アルキル

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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