バーリントン・インダストリーズ(読み)ばーりんとんいんだすとりーず(英語表記)Burlington Industries, Inc.

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

バーリントン・インダストリーズ
ばーりんとんいんだすとりーず
Burlington Industries, Inc.

アメリカにあった繊維会社。2001年に倒産し、2004年に新会社インターナショナル・テキスタイル・グループInternational Textile Group(ITG)として統合された。

 バーリントン・インダストリーズの歴史は1923年ノース・カロライナ州バーリントンに設立されたバーリントン・ミルズにさかのぼる。同社は、典型的な繊維会社として、設立当初はカーテン衣服、旗などの綿繊維による織布をおもに生産していたが、当時画期的な繊維素材であったレーヨンによる製品生産を1925年に開始して、その後大きく成長した。第二次世界大戦後の活発な吸収・合併を経て、1955年にバーリントン・インダストリーズとなり、アメリカ最大、かつもっとも多角化された繊維会社となった。製品は広範な分野にまたがり、アメリカ国内のほかにメキシコインドに工場をもち、1998年時点の売上高は20億0100万ドル、純利益は8000万ドル。売上高構成比率はアパレル(衣服・既製服)製品が58%、インテリア装飾品が42%を占めた。

 しかしその後、安価な中国製繊維製品に押されて、2001年に連邦破産法手続により倒産、金融会社による買収再度の倒産を経て繊維会社のコーン・ミルズ社Cone Mills Corp.に買収され、2004年に新会社インターナショナル・テキスタイル・グループとして統合された。

 日本では、1971年(昭和46)に三菱(みつびし)レイヨン(現、三菱ケミカル)との提携による三菱バーリントンが設立されたが、バーリントン・インダストリーズの倒産により、2003年(平成15)に三菱レイヨン完全子会社となり、社名を三菱レイヨン・カーペット(現、ダイヤ・カーペット)に変更した。

[佐藤定幸・萩原伸次郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

バーリントン・インダストリーズ
Burlington Industries, Inc.

アメリカ合衆国の総合繊維メーカー。衣料用繊維製品を中心に,家庭用繊維製品を生産。創業は 1923年であるが,1937年に既存会社 3社が合同してバーリントン・ミルズを設立,1955年現社名に変更。この間 1938年には靴下生産を開始し,1950年代から仕上げ製品部門に進出するとともに,1960年代にはメリヤス工場,紡毛・梳毛服地,靴下,絨毯,パイル織物などの有力メーカーを次々に買収して発展した。家具類やプラスチック,ガラス繊維などの工業用製品にも進出。海外進出も積極的に展開した。2001年に破産申請し,2004年インターナショナル・テキスタイル・グループ(現エレベート・テキスタイルズ)の傘下企業となった。

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