翻訳|blazer
軽い仕立てのジャケットの一種。語源は,1860年代にイギリス海軍の帆船ブレザー号の船員に,金ボタン,紺のフランネル製上着着用が義務づけられたことによるという説,また,1880年代に,オックスフォード大学とのボートレースの対抗戦で,ケンブリッジ大学のクルーが燃えさかる炎(ブレーズ)のような真紅の上着を用いたことに始まる,という説などがある。その後,クリケットやテニスなどでもユニフォームとして用いられてきた。主に無地のフランネルで仕立てられ,グレーのフランネルのズボンと組ませる。近年は色物やブレザー・ストライプと称する柄物もある。前はシングルまたはダブルで,金属のボタンを用い,胸と両脇に貼りポケット,胸のポケットにスポーツクラブや大学の紋章badgeをつける。上下共布で作られたものはブレザー・スーツと呼ばれ,スポーツ用,ビジネス用など幅広く用いられている。
執筆者:星野 醍醐郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
軽量で、スポーティーなジャケットのこと。炎とか、炎のように光り輝くという意味のブレイズblazeの派生語。元来、ケンブリッジ大学のボート部の選手が着用した緋(ひ)色のジャケットで、1880年代からブレザーの名が使われた。また鮮かな縦縞(たてじま)でつくられた上着ゆえにその名があるとの説もある。テーラード・カラー、ダブルかシングルの打合せ、左胸のポケットのクラブ・バッジ(紋章)、金属製のボタン、両脇(わき)の張付けポケットなどがおもな特徴としてあげられる。また、伝統的にフラノ地がよく使用され、赤のほか紺、白、黒、ベージュ、グレーなどの無地を中心として、縞(しま)、格子、綾織(あやおり)のものもある。東京オリンピックの日本の選手団の制服にも採用されたように、スポーツ団体の制服をはじめ、通学服、カジュアル・ウエア、レジャー・ウエアとして、年齢、性別に関係なく着用されるようになった。
[田村芳子]
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