境港市(読み)サカイミナトシ

デジタル大辞泉 「境港市」の意味・読み・例文・類語

さかいみなと‐し〔さかひみなと‐〕【境港市】

境港

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日本歴史地名大系 「境港市」の解説

境港市
さかいみなとし

面積:二五・五八平方キロ

県の北西端に位置し、弓浜半島の北半分を占める。南は米子市に接し、東は美保みほ湾、西は中海に面する。北は境水道を隔てて島根半島の南岸、島根県八束やつか美保関みほのせき町に相対する。地勢は砂地で平坦。市域の最高地は南西にある三軒屋さんげんや町の砂丘地帯で、わずかに標高一六メートルに過ぎない。弓浜半島のうち当地を含む米子以北の地域は浜の目はまのめとよばれ、美保湾に面する弓ヶ浜(夜見ヶ浜)沿岸をそと浜、中海沿岸をうち(内潟)とよんだ。主要道路は境水道大橋(昭和四七年架橋)に通ずる国道四三一号が美保湾沿いに東端を南北に走り、これに並行して外浜そとはま県道・内浜うちはま産業線・さかいわたり―米子線、そして内浜県道と五本の道が北と南とを結んでいる。このうち内浜を通る後者の三本の路線は、南端の米子空港近くで内浜県道に合流して一本となり、空港東端を大きく遠回りして米子市へ向かう。川は半島の中央部を流れるよね川がある。宝暦九年(一七五九)に開削工事が完了した堀川で、米子市から北流して米子空港滑走路を暗渠で横断し、境水道へ注いでいる。また米川に並行するかたちでJR境線が南北に通っている。境線は山陰地方最初の開通鉄道で、明治三五年(一九〇二)に開通した。境水道の岸近くにある境港駅は初めは境駅と称したが、大正八年(一九一九)に境港駅と改称した。

〔原始・古代〕

市域は「出雲国風土記」に「伯耆の国郡内くぬち夜見よみの嶋」と表現されており、奈良時代には島であったと考えられる。市域の北西端、外江とのえ町の西岸沖、中海の沖合にある西灘にしなだ遺跡(海底遺跡)からは縄文時代前期以降の人々の生活用具、骨製の釣針、石錘などが出土している。また境水道に面した北灘きたなだからは縄文後期の遺物が出土している。外江町の対岸、美保関森山もりやまには権現山ごんげんやま洞窟住居跡やサルガはな洞窟住居跡があり、外江町の周辺には縄文早期以降の人々の生活の歴史のあったことが考えられる。外江町に続く東方の地、弥生やよい町や清水しみず町には弥生時代の御立山おたてやま遺跡や矢尻やのしり遺跡がある。また古墳時代の遺跡としては外江町の荒山あらやま古墳のほか、旧麦垣むぎかき地内(現在美保飛行場地内)に古墳のあったことが報告されている。古代律令制下では会見あいみ郡に属し、「伯耆国風土記」逸文によると、相見あいみ(会見)郡の郡家の北西に「余戸あまりべの里」のあったことを伝えている。奈良時代には夜見島とよばれる島であり、その島の北西隅に位置する外江町地域を中心として余戸里があったとする説もある。

〔中世〕

夜見島は平安時代になると、日野川の流砂が美保湾の潮流によって東岸に堆積し、米子地方と陸続きとなって半島を形成したらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「境港市」の意味・わかりやすい解説

境港〔市〕
さかいみなと

鳥取県北西端,美保湾にのぞむ市。 1954年境町,外江町と渡,上道,余子,中浜の4村が合体して境港町となり,56年市制。弓ヶ浜砂州の北半を占め,境水道で島根半島先端部とへだてられる。集落は砂丘列上に発展し,縄文・弥生時代の遺物が出土する。中心市街地の境は近世西回り航路の寄港地として繁栄。境港は 1899年開港場に指定され,1931年満州事変後は中国北東部,朝鮮半島方面への要港となった。第2次世界大戦後は漁業の根拠地となり,50年重要港湾に,71年中海新産業都市に指定。洋材の輸入港としても繁栄。埋立地には木材工業団地や水産加工団地があり,米作のほか白ネギを産する。境水道大橋によって島根半島と結ばれ,隠岐諸島フェリーが就航。幕末の台場跡 (史跡) を整備した台場公園がある。 JR境線,国道 431号線が通じ,南端に米子空港がある。面積 29.11km2。人口 3万2740(2020)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

事典 日本の地域遺産 「境港市」の解説

境港市

(鳥取県境港市)
怪遺産」指定の地域遺産(2007(平成19)年(第1回))。
水木しげる出身地で、妖怪の銅像などが立ち並ぶ「妖怪ロード」などの街づくりが行われている。妖怪ファンにとっては一度は訪れたい聖地

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

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