就職活動の略称。シューカツとも表記する。とくに大学生、大学院生、短大生などが民間企業から採用内定をもらうための、卒業前年から卒業年にかけての一連の求職活動を就活とよぶことが多い。最近は、まずインターネットの就活サイトから求人企業へ応募資料(エントリーシート)を提出することから始まり、企業説明会への出席、性格テストや適性テストの受検、数次の面接を経て、内々定を獲得し、最終的に内定をもらうまでの活動をさす。
民間企業は他社より優秀な人材を確保しようと採用活動を早期化する傾向があり、就活期間は長期化している。これに歯止めをかけ、学生が学業に専念できる期間を確保しようと、1953年(昭和28)に就職協定が、1997年(平成9)に倫理憲章(正式名称「採用選考に関する企業の倫理憲章」)が策定され、その後も改定を重ねた。また、2013年(平成25)に名称を採用選考指針(正式名称「採用選考に関する指針」)と改め、企業の自主的判断にまかせた倫理憲章よりも、拘束力の強いものにした。ただし、新しい指針も罰則規定のない紳士協定である。
国家公務員、地方公務員など官公庁の採用は民間企業への就活と異なり、筆記試験の比重が高く、高卒、大学卒、大学院修了など学年別に実施される採用試験対策が就活の中心となる。また中学生や高校生の新卒採用については、労働基準法や職業安定法により就活期間が厳しく制限されており、実際の就活は学校内での書類選考のウェイトが高いという傾向がある。
[編集部 2016年10月19日]
就職活動の略。1996年(平成8)まで,大学生の就活は一定期間に限られていた。就職協定にもとづき,ほとんどの企業が同じ時期に就職採用をおこなっていたからである。しかし通年採用をおこなう企業が増えたことにも伴い,1997年から大学生の就活は半年から1年に及ぶようになっている。大学側からは就活期間があまりに長いため,学業に悪影響を与えているとの批判もあがっており,経済団体連合会(経団連)は現在,3年生の12月から開始されている就活を翌年3月にまで遅らせるという方針を出している。しかし,たとえ就活期間が短くなったとしても,その分,企業はアルバイトやインターンシップ,リクルーター面談などを通じて,非公式に学生と接触する。また近年,大学では就活講座が増加する傾向にあり,企業はこれに積極的に協力することで,学生の情報を集めようとしている。学生の側からすれば,結局のところ,早い時期から就活のための訓練を受けなければならないため,就活期間の長さに変わりはない。学業の充実を図るためには,ほかにもなんらかの手段を講じる必要があるだろう。
著者: 栗原康
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
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