山茶花(読み)サザンカ

デジタル大辞泉 「山茶花」の意味・読み・例文・類語

さざん‐か〔‐クワ〕【茶花】

《「さんさか」の音変化》ツバキ科の常緑小高木。九州四国山地自生。葉は楕円形両端がとがる。晩秋のころ白い花をつけ、散るときは花びらがばらばらに落ちる。種子から油をとり、材で器物を作る。園芸・観賞用としても栽培され、赤花・八重咲きなどの品種がある。 冬》「―のここを書斎と定めたり/子規

さんざ‐か〔‐クワ〕【山茶花】

《「さんさか」とも》「さざんか(山茶花)」に同じ。〈日葡

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精選版 日本国語大辞典 「山茶花」の意味・読み・例文・類語

さざん‐か‥クヮ【山茶花】

  1. 〘 名詞 〙 ( ツバキの漢名、山茶に由来する「さんさか」の変化した語 ) ツバキ科の常緑小高木。九州の山地に生え、広く観賞用に庭木として植えられる。幹は高さ三~八メートル。若枝や葉柄に細毛を密生。葉は互生し短柄を持ち厚く、長さ三~七センチメートルの長楕円形で両端はとがり縁に細かい鋸歯(きょし)がある。一〇~一二月、枝先に径四~七センチメートルの白色の五弁花を単生する。果実は蒴果で長さ約二センチメートルの倒卵状球形。材は細工物に使い、種子からとれる油は、食用油、髪油などに用いる。園芸品種も多く、花色は白、淡紅、紅などで絞りや八重咲きもある。漢名、茶梅。ひめつばき。こつばき。さんざか。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「水干を秀句の聖わかやかに〈野水〉 山茶花匂ふ笠のこがらし〈羽笠〉」(出典:俳諧・冬の日(1685))
    2. 「茶梅(サザンク)」(出典:大和本草(1709)一二)

山茶花の語誌

( 1 )「山茶花」の表記は中世後期に見られるが、当初は「さんざか」と読まれていた。「日葡」や「俳諧・毛吹草」などにその形がみえる。群書類従本「尺素往来」には「茶」の右に「サ」の音注が見えるが、「さんさか」という清音形の存在は不確実である。同書の東京大学国語研究室蔵本(室町時代写)には「茶」に「チャ」とあり、「さんちゃか」という読みがあった可能性もある。
( 2 )訛形「さざんか」は一七世紀から見える語形である。「書言字考節用集」では「サンザク サザンク」と、両形を挙げ、かつ「サンザク」を第一としているが、その後、「さざんか」が「さんざか」に取って代わった。


さんざ‐か‥クヮ【山茶花】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さんさか」とも ) =さざんか(山茶花)〔尺素往来(1439‐64)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「山茶花」の解説

山茶花 (サザンカ・サンサカ;サンザカ)

学名Camellia sasanqua
植物。ツバキ科の常緑小高木,園芸植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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