岡村金太郎(読み)オカムラキンタロウ

デジタル大辞泉 「岡村金太郎」の意味・読み・例文・類語

おかむら‐きんたろう〔をかむらキンタラウ〕【岡村金太郎】

[1867~1935]海藻学者。東京の生まれ。日本近海の海藻を調査研究し、藻類学確立水産講習所長。著「日本藻類図譜」など。

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20世紀日本人名事典 「岡村金太郎」の解説

岡村 金太郎
オカムラ キンタロウ

明治〜昭和期の海藻学者 水産講習所所長。



生年
慶応3年4月2日(1867年)

没年
昭和10(1935)年8月21日

出生地
江戸

学歴〔年〕
東京帝大理科大学植物学科〔明治22年〕卒

学位〔年〕
理学博士〔明治28年〕

経歴
四高教授を経て、明治30年水産講習所(現・東京水産大学)に移り、39年教授、のち農商務省技師兼務、大正13年所長となった。日本の海藻学の開拓者で、新属10を含む多くの新種発見アサクサノリテングサフノリの人工養殖、漁場の改善、開発に貢献した。著書に「日本海藻誌」「藻類系統学」「日本藻類図譜」「浅草海苔」「海藻と人生」などがある。江戸時代初等教育教材に用いられた「往来物」の研究も著名。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡村金太郎」の意味・わかりやすい解説

岡村金太郎
おかむらきんたろう
(1867―1935)

海藻学者。東京生まれ。1889年(明治22)帝国大学理科大学植物学科を卒業、大学院に進み海藻学の研究に従事した。ほとんど独力で日本近海の海藻を調査記載し、日本における藻類学の開祖となった。その間、水産伝習所、第四高等中学校教授を経て、水産講習所教授(1906)、同所長(1924)となり、水産植物学を通して水産教育に尽力した。数多くの海藻の発見とともに、海藻に関する名彙(めいい)、検索表、図譜を出版し、体系書『藻類系統学』を著すなど、日本の海藻学の基礎を築いた。またアサクサノリなどの養殖事業に関する寄与も大きい。研究心が旺盛(おうせい)なうえ天性として不屈剛毅(ごうき)な気性の人としても知られる。

[佐藤七郎]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡村金太郎」の解説

岡村金太郎 おかむら-きんたろう

1867-1935 明治-昭和時代前期の藻類学者,水産学者。
慶応3年4月2日生まれ。水産講習所(現東京水産大)教授となり,大正13年所長。おおくの海藻を発見,分類するなど,わが国の藻類学の基礎をきずいた。日本水産学会会長。昭和10年8月21日死去。69歳。江戸出身。帝国大学卒。著作に「日本藻類図譜」「藻類系統学」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岡村金太郎」の意味・わかりやすい解説

岡村金太郎
おかむらきんたろう

[生]慶応3(1867).4.10. 江戸
[没]1935.8.21. 東京
海藻学者。東京大学植物学科卒業 (1889) 。水産講習所技師,同所長。日本の海藻学の創始者ともいうべき存在で,『海藻学汎論』『日本海藻図譜』『日本海藻誌』などの大著がある。

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367日誕生日大事典 「岡村金太郎」の解説

岡村 金太郎 (おかむら きんたろう)

生年月日:1867年4月2日
明治時代-昭和時代の海藻学者;水産学者。水産講習所教授
1935年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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