明鏡止水(読み)メイキョウシスイ

デジタル大辞泉 「明鏡止水」の意味・読み・例文・類語

めいきょう‐しすい〔メイキヤウ‐〕【明鏡止水】

《「荘子」徳充符から》曇りのない鏡と静かな水。なんのわだかまりもなく、澄みきって静かな心の状態をいう。「明鏡止水心境

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精選版 日本国語大辞典 「明鏡止水」の意味・読み・例文・類語

めいきょう‐しすいメイキャウ‥【明鏡止水】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「淮南子‐俶真訓」の「人莫於流沫、而鑑於止水者、以其静也、莫形於生鉄、而窺於明鏡者、以其易也」による ) くもりのない鏡と静かな水。澄みきった静かな心境をいう。めいけいしすい。
    1. [初出の実例]「余の良心は明鏡止水の如し」(出典:ブウランジェ将軍の悲劇(1935‐36)〈大仏次郎〉ウィルソン事件)

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四字熟語を知る辞典 「明鏡止水」の解説

明鏡止水

心に邪念がなく、明るく澄みきった心境のたとえ。

[使用例] 狙いが定まらない。そこで何もかもを忘れて精神を一点に、視覚に集中し、いわば明鏡止水の至境に達しようと、あせる[開高健*王様キングと私|1985]

[使用例] 珍念は開口一番、「わたしに非があればいつでも地検事情聴取には応じる」と言った。つづいて現在の心境にかんして、「明鏡止水」と抗弁した[嵐山光三郎*変!|1998]

[使用例] 「さて、ゲーム返しに行くか」俺は、明鏡止水の心で立ち上がった。自分の部屋から出て、妹の部屋のドアをノックする[伏見つかさ*俺の妹がこんなに可愛いわけがない|2008]

[解説] 澄んだ鏡や、流れの静止した水のこと。そう代の「朱子語類」には「聖人の心は明鏡止水のごとし」とあります。
 このように、人の心を澄んだ鏡や、静止した流れにたとえる文章は古くからあります。たとえば、漢代の「なん」、さらに古くは戦国時代の「そう」など。
 「荘子」では、おうたいという賢者について尋ねられた孔子が、こう答えます。
 「人々は流れる水ではなく、静止した水に顔を映そうとする。心の平静な王駘の元に人々が集まるのはそのためだ」
 日本では、「明鏡止水」の発言で有名な政治家が二人います。
 一人は、一九三四年に収賄疑惑で文部大臣を辞任したはとやまいちろう(後の首相)。国会追及を受け、「明鏡止水の心境」と述べましたが、後にえんざいが判明します。
 もう一人は、一九八九年に約二か月間、首相を務めたそうすけ。消費税導入後の世論逆風に加え、自身のスキャンダルも加わって、衆議院選挙でざんぱい。やはり「明鏡止水の心境」とのコメントを残して、首相を辞任しました。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「明鏡止水」の解説

めいきょうしすい【明鏡止水】

長野日本酒。酒名は、澄みきって乱れがない心の状態を表す成句で、これに目指す酒質を重ねて命名大吟醸酒純米大吟醸酒、純米吟醸酒、純米酒、本醸造酒などがある。平成7、8、11~13、17、22年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は美山錦、山田錦など。仕込み水は蓼科山の伏流水。蔵元の「大澤酒造」は元禄2年(1689)創業。所在地は佐久市茂田井。

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デジタル大辞泉プラス 「明鏡止水」の解説

明鏡止水(めいきょうしすい)

長野県、大澤酒造株式会社の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

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