ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「月岡雪鼎」の意味・わかりやすい解説
月岡雪鼎
つきおかせってい
[没]天明6 (1786).12.4. 大坂
江戸時代中期の浮世絵師。本名は木田昌信。通称は丹下。号は雪鼎,信天翁,錦童など。大坂へ出て京狩野の狩野永敬に師事した高田敬輔に学び,のち西川祐信らの感化を受けて風俗画に転じた。さらに叙情的で品格のある美人画様式を確立,法橋,法眼に叙せられた。ほかに絵本挿絵,春画も多く描き,上方浮世絵界の中心的人物だった。主要作品に『夏姿三美人図』など。養子の雪斎は雪鼎の画風を形式的に守って法橋,法眼となり,雪斎の養子の月岡芳年は明治期の浮世絵界で活躍した。(→浮世絵)
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報