(読み)キョウ

デジタル大辞泉 「矯」の意味・読み・例文・類語

きょう【矯】[漢字項目]

常用漢字] [音]キョウ(ケウ)(呉)(漢) [訓]ためる
曲がったものを正しく直す。ためる。「矯正矯風
無理に曲げる。いつわる。「矯飾
強い。はげしい。「矯激奇矯
[名のり]いさみ・たけし・ただ

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精選版 日本国語大辞典 「矯」の意味・読み・例文・類語

ため【矯】

  1. [ 1 ] ( 動詞「ためる(矯)」の連用形名詞化 )
    1. 物を曲げること。また、その曲がっている状態。
      1. [初出の実例]「すぐなる物にためのおこる、ため如何」(出典:名語記(1275)四)
    2. 俳諧用語。「雪中庵嵐雪十五条」の一で、芭蕉の説いた「しおり」に当たる。
      1. [初出の実例]「撓 星さへ見へず二十八日、ひだるきは殊に軍の大事也。伝曰、前句は只暗夜のすがたになるを、付句より夜打と定め、一句を撓む」(出典:俳諧・二弟準縄(1773))
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 ( 「だめ」とも ) 名詞に付いて、そのものを曲げたり、曲がっているものをのばしたりするために力を加えることをいう。「弓矯(ゆだめ)」「篦矯(のため)」など。

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普及版 字通 「矯」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 17画

[字音] キョウ(ケウ)
[字訓] ためる・いつわる・つよい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は喬(きよう)。〔説文〕五下に「(や)を揉(た)むる箝(はめき)なり」とあり、矢がらをただす意とする。を正すには寅(いん)の字があり、矢の左右に手を加える形で、寅正の意に用いる。矯には曲げる意があり、〔書、呂刑〕に「奪攘(だつじやう)矯虔(けうけん)」(上命と偽って奪う)、〔書、仲之誥〕「上天を矯誣(けうふ)して以て命を下に布く」、〔左伝、昭二十六年〕「先王を矯誣す」のように、事実を偽り枉げる意に用い、寅正とはまた異なる意がある。喬は高楼の屋上に呪飾としての表木を立てる形。高くして驕る意があり、矯とは、強い力で矯め直すことをいう。〔詩、魯頌、水〕に「矯矯たる虎臣 (宮)に在りて馘(くわく)を獻ず」とあり、矯武勇の意に用いる。

[訓義]
1. ためる、矢をまっすぐにする、ためき。
2. いつわる、力を加えて改める、みだる、もとる、さからう。
3. あげる、たかくする。
4. つよい、たかぶる。

[古辞書の訓]
名義抄〕矯 アザムク・マサシ・カタマシク・タム・カザル・ツク・タダス・オコル・イツハリ・アグ・アカル・タケシ

[語系]
矯・驕ki同声khi、高k、翹giも、みな声義に通ずるところがある。

[熟語]
矯異・矯易矯枉・矯介・矯革・矯矯鑒・矯偽・矯挙・矯矯・矯激・矯・矯潔・矯虔・矯健・矯言・矯抗矯亢矯詐・矯罪・矯殺・矯士・矯矢・矯思・矯失・矯首・矯手矯揉・矯・矯称矯詔・矯上・矯情・矯飾・矯任・矯世・矯正・矯制・矯性・矯然・矯俗・矯奪矯誕・矯直矯勅・矯誣・矯風・矯復・矯払矯弊矯摩・矯命矯妄矯抑・矯翼矯戮・矯・矯令・矯励
[下接語]
違矯・姦矯・奇矯・矯・匡矯・驚矯・屈矯・騫矯・抗矯・自矯・清矯・騰矯・誣矯・紛矯・夭矯

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