色温度(読み)イロオンド(その他表記)color temperature

デジタル大辞泉 「色温度」の意味・読み・例文・類語

いろ‐おんど〔‐ヲンド〕【色温度】

color temperature高温物体放射する、光の色から求める温度黒体がそれと等しい色を出すときの絶対温度で表す。色温度が高いほど短波長の成分を含むために青味を帯び、逆に低いほど長波長の成分を含み赤味を帯びる。単位ケルビン。→相関色温度

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精選版 日本国語大辞典 「色温度」の意味・読み・例文・類語

いろ‐おんど‥ヲンド【色温度】

  1. 〘 名詞 〙 発光体の温度を表わす方法の一つ。または、その数値。直接測定することのできない高温度の物体や星などの温度を推定する時に用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「色温度」の意味・わかりやすい解説

色温度 (いろおんど)
color temperature

温度といっても色に温度があるわけではないので,温度計を近づけてそこの温度を測るというようなものではない。色温度とは,完全放射体,すなわち黒体というものを考えて,その温度を変えるとそこから出てくる光の分光エネルギー分布が変化して色が変わってくるということに着目し,色をそれと同じ色を出す黒体の温度で表そうとするものである。黒体放射は諸条件を厳密にコントロールした実験室でないと実現できないので簡単に体験できるものではないが,代りに例えば炭を燃える火の中にほうりこんでみよう。最初,つまり炭の温度の低いときは赤い色をしているが,よく燃えてきて温度が上がってくるとだんだん白っぽくなる。色の変化がよくわかるはずである。色温度が1000Kならその色は610nmに近い単色光の色,つまりだいだい色であり,5000Kならほとんど真っ白の色,そして1万Kなら少し青みを帯びた白色ということになる。色温度で表せる色は黒体の出す色に限られているから,それと似ているタングステンランプなど,物を熱して出てくる光の色を表示するには便利である。しかし木の葉の緑とか,水の色とか,ピンクなどの色はとうてい色温度で表示することはできない。したがって色温度をよく使うのは照明用の光源の色に対してであり,その他の一般の色には適用しない。なお,星の場合にはその色温度は大気構造を決める重要な手がかりになる。
色指数
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「色温度」の意味・わかりやすい解説

色温度
いろおんど

黒体放射の色と対応させて、発光物体の温度を表示する方法、またその数値。真っ暗な室内で電熱器スイッチを入れると、温度があがるにつれてニクロム線の色が変わっていく。このように物体はその温度に応じた放射(熱放射)を出すが、どの波長の放射をどれだけ出すかは温度で違い、可視光部分のその差が色の違いとして感じられる。同じ温度でも表面の性質で放射の仕方は異なるので、標準物体として黒体を考え、一般の物体が出す光(反射光を除く)の色が温度Tの黒体放射の色と同じに見えるとき、物体の色温度はTであるという。色温度と物体の本当の温度とはかならずしも等しくはない。またピンクなど、色温度によっては表せない色もあるので、利用は光源などに限られる。蛍光灯を買うと、箱に色温度について書いてあることが多い。なお、色温度は俗にいう暖かい色(赤、黄、橙(だいだい))、冷たい色(紫、青)とは関係がない。

[小出昭一郎]

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カメラマン写真用語辞典 「色温度」の解説

色温度

 むずかしく言うと、光の色組成を絶対温度で表示したもの。つまり、光の色(波長の違いによる色とは違う)を温度表示したもので、単位はK(ケルビン)。色温度が高くなると青っぽく写り、色温度が低くなると赤っぽく写る。日中(午前10時~午後2時ごろ)の色温度は5,400~5,500Kで、ふつうのカラーフィルムはこれを基準にした デーライトタイプフィルム である。一方、写真用電球の色温度は3,200Kで、これを基準にしたカラーフィルムタングステンタイプフィルム だ。また、日の出や日没直前の色温度は2,000K前後、ローソクの光は1,800K前後と低く、このために赤く写る。色温度が高かったり、低い場合にそれをデーライトに近づけるために使うフィルター色温度変換フィルター で、LB(Light Balancing)フィルターとも言う。また、色温度を測定できるのが カラーメーター で、K値のほか、フィルター補正値なども表示できる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「色温度」の意味・わかりやすい解説

色温度
いろおんど
colour temperature

可視光を出して光っている物体は,同じ色に見える黒体放射を出す黒体と同じ温度にあると考え,その温度を物体の色温度という。光源の色を単一量で示すために用いられる。たとえば,白熱電球の光の色温度は約 2800K,白色ケイ光ランプは 4200K,青空は約2万Kの色温度であるという。同じ色であることを判定するには可視領域での輝度の分光分布の一致を調べなければならないが,実用的には適当な2つの可視波長領域での輝度の比が等しいことを判定する二色高温計で色温度が測定される。一般に色温度は真の温度より少し高い。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「色温度」の解説

色温度

光の色を数値で表現するもので、単位はK(ケルビン)を使う。物質を燃やしたとき、高温になるほど炎の色が青くなるように、暖色系は色温度が低く、寒色系の色は色温度が高い。パソコンやテレビのディスプレーで正確な色を再現するには色温度の調整が必要。写真や映像、印刷の分野では、撮影時の光源や出力する対象(紙、フィルム、テレビなど)に合わせて最適な色温度に使い分けられる。自然光は、5000K~6000Kで、パソコンのディスプレーは9300Kが標準。印刷には6500Kが最適といわれ、ほとんどのディスプレーは、6500K、5000Kなどに切り替えられる。

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百科事典マイペディア 「色温度」の意味・わかりやすい解説

色温度【いろおんど】

色温とも。光源の色を数値的に表す方法の一つ。黒体(完全放射体)から出る放射の色(各波長ごとの放射エネルギーの割合)は温度だけで決まるので,ある光源から出る光の色と同じ色の放射を出す黒体の温度を,その光または光源の色温度とする。色温度は光源の真の温度より高い。カラー写真で照明光の色温度が使用フィルムのバランス温度と違うときは色温度変換(LB)フィルターを使う。

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化学辞典 第2版 「色温度」の解説

色温度
イロオンド
color temperature

高温物体の放射する色と等しい色を放射する黒体の絶対温度.その測定には,可視領域で放射の分布を測定すればよいが,実際には簡単のため二つの波長域での放射の強さの比を求める.

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「色温度」の解説

いろおんど【色温度】

照明用光源の色合いを示す尺度の一つ。単位はケルビン。値が上昇するにつれて赤から黄、白、青の色味を帯びる。色温度の低い光源ほど暖かく、高くなるほど冷たい印象を与えるといわれる。

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