記す(読み)シルス

デジタル大辞泉 「記す」の意味・読み・例文・類語

しる・す【記す/誌す/識す】

[動サ五(四)]
文字文章などを書きつける。書きとめる。記録する。「氏名を―・す」「感想を―・す」
記憶にしっかりとどめる。忘れないようによく覚えておく。「今日の喜びを胸に―・す」
書く[用法]
[可能]しるせる
[類語]書くしたためる書き表す書き立てる記する書き記す書き綴る書き込む書き入れる記入記載筆記記帳記録速記

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「記す」の意味・読み・例文・類語

しる・す【記】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. [ 一 ] かたどったり書いたりする。
    1. 書きつける。書きのせる。記録する。
      1. [初出の実例]「朕年月を題(シルシ)て、便ち群卿に示さむ」(出典:日本書紀(720)大化元年八月(北野本訓))
      2. 「神よより世にあることをしるしおきけるななり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蛍)
    2. 目じるしとする。目をつけてとり出してみる。
      1. [初出の実例]「つもれるとしを しるせれば いつつのむつに なりにけり〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇三)
    3. 注をつけて書く。注釈する。
      1. [初出の実例]「其の注(シルセ)るに云はく、新羅の春秋智、願ひを内臣蓋金に得ず」(出典:日本書紀(720)斉明六年七月(北野本訓))
    4. 書き著わす。著作する。
  3. [ 二 ] ( 徴 ) しるしとなるものを示す、また他に徴する。
    1. 前兆を示す。兆候をあらわす。
      1. [初出の実例]「新(あらた)しき年のはじめに豊の年思流須(シルス)とならし雪の降れるは」(出典:万葉集(8C後)一七・三九二五)
    2. 証拠を求める。
      1. [初出の実例]「之を聖典に験(シルス)に亦隠顕異なること有りて」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝院政期点(1080‐1110頃)一)

き‐・す【記】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙きする(記)

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