(読み)キョ

デジタル大辞泉 「距」の意味・読み・例文・類語

きょ【距】[漢字項目]

常用漢字] [音]キョ(漢) [訓]へだたる へだてる けづめ
一方から一方まで間が大きくあくこと。へだたり。「距離測距儀
鶏などのけづめ。「距爪きょそう

きょ【距】

植物花びらがくの付け根にある突起部分内部蜜腺みつせんをもつ。スミレの花びら、ヒエンソウの萼などにみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「距」の意味・読み・例文・類語

あご【距】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あごえ」の変化した語 ) 鶏または雉(きじ)蹴爪(けづめ)
    1. [初出の実例]「雞あわせをするに、はねによろいをしてきせ、あこにかねをしてきせたことなり〈略〉けやうときにあごが羽にあたりて羽がそこぬるぞ」(出典:玉塵抄(1563)一八)

あ‐ごえ【距】

  1. 〘 名詞 〙 鶏などの蹴爪(けづめ)
    1. [初出の実例]「大(おほ)きなる雄鶏を以て、呼びて己が鶏と為て、鈴、金の距(アコエ)を着けて、競ひて闘は令む」(出典日本書紀(720)雄略七年八月(前田本訓))

きょ【距】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物の花冠や萼(がく)基部から、細長く袋状に突き出ている部分。内部に蜜腺をもつものが多く虫媒関係する。スミレの花冠、ヒエンソウの萼などにみられる。
  3. けづめ(蹴爪)

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普及版 字通 「距」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
12画

[字音] キョ
[字訓] けづめ・さる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(巨)(きよ)。(矩)(さしがね)の初文。の脛後にある「けづめ」がその形に似ているので、という。(拒)と通用し、これで敵を拒(ふせ)ぐ。それで彼此相隔てる意となり、距離をおくことをいう。また跳躍のときのように、足首に強く力を加えることをいう。

[訓義]
1. けづめ。
2. 拒と通じ、ふせぐ、こばむ。
3. へだてる、さる、たがう。
4. と通じ、とめる、たがう、はなす。
5. と通じ、なんぞ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 阿古江(あごえ) 〔和名抄 阿古江(あごえ) 〔名義抄 フミハタカル・フセク・アク・アゴエ・イタル・トフラフ・アタル 〔字鏡集〕 エクル・アゴエ・トフラフ・イタル・アグル・フミハダカル・クタル・フセク・コハフ

[熟語]
距違・距・距・距捍・距諫・距関・距逆・距険・距国・距衝・距絶・距戦・距爪・距年・距閉・距躍・距離
[下接語]
横距・距・介距・冠距・距・距・後距・鉤距・觜距・蹠距・双距・爪距・足距・超距・直距・鉄距・毛距・鷹距・利距

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「距」の意味・わかりやすい解説


けづめ
spur

キジ目の雄の鳥のすね (解剖学的には 跗蹠骨の部分) のうしろ側に生じる突起。骨からの鋭い突起に角質の鞘がかぶさっているものであり,爪ではない。また昆虫脛節末端に生じている突起も,距 (きょ) またはけづめと呼ぶ。鳥では,1本の脚について距は1個であるが,昆虫では1対あるいは2対ずつ存在する。


きょ
spur

花の萼や花冠の基部近くから突出した部分。たとえばスミレ,ノウゼンハレン,ランなどにみられ,通常その内部に蜜腺があり,虫媒と関係がある。


きょ
spur

昆虫の肢の脛節末端にある突起で,「けづめ」ともいう。

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