酸漿(読み)ホオズキ

デジタル大辞泉 「酸漿」の意味・読み・例文・類語

ほお‐ずき〔ほほづき〕【酸漿/鬼灯】

ナス科多年草。高さ60~90センチ。地下茎を伸ばして増える。葉は卵形で縁に粗いぎざぎざがある。6、7月ごろ淡黄白色の花が咲く。その後、がくが大きくなって果実を包み、初秋、果実が熟して萼とともに赤く色づく。地下茎を漢方鎮咳ちんがい薬などにする。かがち。ぬかずき。 秋 花=夏》「―の相触れてこそ蝕ばめり/地蔵尊
子供が口に入れて舌で押し鳴らすもの。ホオズキの実から中の種子をもみ出してこしらえる。またテングニシなどの貝の卵嚢らんのうを用いて作り、海ほおずきとよぶ。

ぬか‐ずき〔‐づき〕【酸漿】

ホオズキ古名
「―などいふもののやうにだにあれかし」〈・六七〉

かがち【酸漿】

ホオズキの古名。
「目は赤―の如くして」〈・上〉

ほう‐ずき〔‐づき〕【酸漿/鬼灯】

ほおずき
[補説]仮名で「ほうずき」と書くのは誤り。

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精選版 日本国語大辞典 「酸漿」の意味・読み・例文・類語

ほお‐ずきほほづき【酸漿・鬼灯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ナス科の多年草。ふつう観賞用に人家に栽培される。高さ四〇~九〇センチメートル。根茎がある。葉には長柄があり、葉身は卵状楕円形で縁に大きな鋸歯(きょし)がある。長さ五~一二センチメートル。初夏、先が浅く五裂したさかずき形の小さな花が下向きに咲く。花は淡黄白色で中心部は緑色。果実は球形で袋状の萼(がく)に包まれて赤く熟す。種子を除いた果実の皮を口にふくんでならして遊ぶ。根は鎮咳・利尿薬に使う。漢名、酸漿。かがち。あかかがち。ぬかずき。《 季語・秋 》 〔本草和名(918頃)〕
    1. [初出の実例]「鬼灯は実も葉もからも紅葉哉〈芭蕉〉」(出典:俳諧・芭蕉庵小文庫(1696)堅田十六夜之辨)
  3. 口に入れ舌でおし鳴らすもの。ほおずきの実に小穴をあけ種子を出したものや、カラニシ、アカニシなど巻貝類の卵の袋から作るうみほおずきがある。
    1. [初出の実例]「御色白く麗しう、ほほづきなどを吹きふくらめて」(出典:栄花物語(1028‐92頃)初花)

かがみ‐ご【酸漿】

  1. 〘 名詞 〙 ホオズキの実。
    1. [初出の実例]「酸醤 加我彌吾」(出典:享和本新撰字鏡(898‐901頃))

ぬか‐ずき‥づき【酸漿】

  1. 〘 名詞 〙ほおずき(酸漿)」の古名。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「酸漿」の解説

酸漿 (ホオズキ・ヌカズキ)

学名Physalis alkekengi var.franchetii
植物。ナス科の多年草,園芸植物,薬用植物

酸漿 (カタバミ)

学名:Oxalis corniculata
植物。カタバミ科の多年草,薬用植物

酸漿 (カガチ)

植物。アカガチの略称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

普及版 字通 「酸漿」の読み・字形・画数・意味

【酸漿】さんしよう

ほおずき。

字通「酸」の項目を見る

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