阿波野青畝(読み)アワノセイホ

デジタル大辞泉 「阿波野青畝」の意味・読み・例文・類語

あわの‐せいほ〔あはの‐〕【阿波野青畝】

[1899~1992]俳人奈良の生まれ。本名、敏雄。「ホトトギス」で活躍し、俳誌かつらぎ」を創刊市井生活題材に、自在な句境を示した。句集万両」「春の鳶」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「阿波野青畝」の意味・読み・例文・類語

あわの‐せいほ【阿波野青畝】

  1. 俳人。奈良の生まれ。本名、敏雄。「ホトトギス」で活躍し、俳誌「かつらぎ」を主宰した。句集「万両」「春の鳶」など。(一八九九‐一九九二

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「阿波野青畝」の解説

阿波野 青畝
アワノ セイホ

大正〜平成期の俳人 「かつらぎ」名誉主宰。



生年
明治32(1899)年2月10日

没年
平成4(1992)年12月22日

出生地
奈良県高市郡高取

本名
阿波野 敏雄(アワノ トシオ)

旧姓(旧名)
橋本

別名
霊名=アシジのフランシスコ

学歴〔年〕
畝傍中〔大正7年〕卒

主な受賞名〔年〕
蛇笏賞(第7回)〔昭和48年〕「甲子園」,西宮市民文化賞〔昭和48年〕,大阪府芸術賞〔昭和49年〕,勲四等瑞宝章〔昭和50年〕,兵庫県文化賞〔昭和60年〕,詩歌文学館賞(第7回)〔平成4年〕

経歴
大正6年高浜虚子の門に入り師事。昭和4年主宰誌「かつらぎ」創刊。同年「ホトトギス」同人となり、秋桜子・素十・誓子とともに四Sと称せられ、昭和俳句の出発点となった。作風は暖かい人間味とそこから生れるユーモアとに特徴がある。38年俳人協会顧問、50年同会関西支部長。同年〜52年大阪俳人クラブ初代会長。この間44年より「よみうり俳壇」選者。平成2年「かつらぎ」主宰を森田峠に譲る。句集に「万両」「花下微笑」「国原」「春の鳶」「紅葉の賀」「甲子園」「除夜」など10冊、俳論集に「俳句のこころ」がある。11年「阿波野青畝全句集」(花神社)が刊行される。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿波野青畝」の意味・わかりやすい解説

阿波野青畝
あわのせいほ
(1899―1992)

俳人。明治32年2月10日奈良県に生まれる。本名橋本敏雄。のち阿波野家を継いだ。畝傍(うねび)中学在学中より原田浜人(ひんじん)に俳句を学び、浜人が『ホトトギス』を脱退後はもっぱら高浜虚子(きょし)に師事して、昭和初頭、秋桜子(しゅうおうし)、誓子(せいし)、素十(すじゅう)らと『ホトトギス』の4Sと称せられた。1929年(昭和4)『かつらぎ』を創刊し、関西俳壇の重鎮、昭和俳壇屈指の作者と目された。句集『万両』(1931)、『国原(くにはら)』(1942)、『春の鳶(とび)』(1952)、『紅葉(もみじ)の賀(が)』(1962)、『不勝簪(ふしょうしん)』(1980)などが著名で、『甲子園』(1972)は翌1973年第7回蛇笏(だこつ)賞を受けた。

 葛城(かつらぎ)の山懐(やまふところ)に寝釈迦(ねじゃか)かな
[村山古郷]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阿波野青畝」の意味・わかりやすい解説

阿波野青畝
あわのせいほ

[生]1899.2.10. 奈良,高取
[没]1992.12.22. 兵庫,西宮
俳人。本名,敏雄。旧姓,橋本。 1923年結婚して阿波野家に入った。畝傍中学校2年の頃句作を始め,大正初期から高浜虚子に師事,昭和初期には秋桜子 (水原) ,誓子 (山口) ,素十 (高野) とともに四Sと並称されて『ホトトギス』の黄金時代をになった。生来耳が遠く,それが「君を駆って抒情詩人たらしめた」とは虚子の評であるが,少年期からの主情的特質がもの自体に即して表現される庶民性に特色がある。 29年から俳誌『かつらぎ』を主宰する。句集は『万両』 (1931) ,『国原』 (42) ,『春の鳶』 (52) ,『紅葉の賀』 (62) ,『甲子園』 (72) ,『不勝簪』 (80) など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「阿波野青畝」の解説

阿波野青畝 あわの-せいほ

1899-1992 大正-平成時代の俳人。
明治32年2月10日生まれ。原田浜人(ひんじん),高浜虚子に師事し,水原秋桜子,山口誓子,高野素十(すじゅう)とともに「ホトトギス派の4S」といわれる。昭和4年俳誌「かつらぎ」を創刊,主宰した。48年蛇笏(だこつ)賞,平成4年日本詩歌文学館賞。平成4年12月22日死去。93歳。奈良県出身。畝傍(うねび)中学卒。旧姓は橋本。本名は敏雄。句集に「万両」「春の鳶(とび)」「甲子園」など。
【格言など】白魚は仮名ちるごとく煮えにけり(「西湖」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「阿波野青畝」の解説

阿波野 青畝 (あわの せいほ)

生年月日:1899年2月10日
大正時代;昭和時代の俳人
1992年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android