表裏色違いの織文様があらわされる〈両面織〉あるいは〈二重(にじゆう)織〉のこと。すなわち経緯糸ともに表裏2組の色糸を用い,表は表経(おもてだて)と表緯(おもてぬき)で,裏は裏経と裏緯で組織し,製織過程で表裏の糸を浮沈交替させつつ織りあげた織物をいう。普通2色を用い,同色の経緯糸を組み合わせて織り,一定間隔でこれを交互に浮沈交替して,石畳や網代,紗綾形(さやがた)などの幾何学的な文様をあらわしたものが多い。歴史的には上エジプト出土のコプト染織品の後期(7~8世紀)の作品のうちに,日本では正倉院伝世の裂類のうちに,この種の作例が認められる。今日では風通縮緬,風通御召,風通紗綾などの高級和服地として応用される。また絹物のほか,羊毛や合成繊維による各種のものが洋服地として製織されている。
執筆者:小笠原 小枝
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…ちょうど2枚の織物を一部で綴り合わせたような状態になっているものと,経糸あるいは緯糸だけを二重にしたものもある。風通(ふうつう)などがこれである。また二重織の変化したものに,地組織の経糸,緯糸とは別の経または緯糸をいっしょに織り込んだ織物で,添毛織物あるいはパイル織といわれるものがある。…
※「風通」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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