小林 桂樹(読み)コバヤシ ケイジュ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「小林 桂樹」の解説

小林 桂樹
コバヤシ ケイジュ


職業
俳優

生年月日
大正12年 11月23日

出生地
群馬県 群馬郡室田町(榛名町)

学歴
前橋中(旧制)〔昭和13年〕卒 日本大学専門部芸術科〔昭和16年〕中退

経歴
父は警察官で、五輪の勝利のシンボルである月桂樹にちなんで“桂樹”と名付けられた。日大芸術科に進むが学費が続かず中退。昭和16年日活に入社。17年「微笑の国」で俳優デビュー。18年同社解散により大映へ移るが、応召。復員後、21年映画「君かと思ひて」で映画界に復帰した。26年千秋実の代役で主演した「その人の名は言えない」が出世作となり、同年サラリーマンもの「ホープさん」でも好演。27年藤本真澄にスカウトされ東宝に転じ、「ラッキーさん」「三等重役」「一等社員」などのサラリーマンものに連続出演。東宝のドル箱であった〈社長〉シリーズでは、森繁久弥、加東大介、三木のり平と共演。大半の作品で森繁演じる社長の秘書役を務め、人がよくまじめながら、どこか抜けているユーモラスな庶民を演じて人気を呼んだ。33年には100本記念映画の「裸の大将」で実在の天才画家・山下清を演じ、毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。以来、35年の「黒い画集」、38年の「江分利満氏の優雅な生活」、平成11年の「あの、夏の日〜とんでろじいちゃん」と、4度同コンクール主演賞を受賞。庶民的なサラリーマンから総理大臣役、コメディタッチから社会派まで幅広くこなせる演技派俳優であった。昭和48年フリー。1970年代以降はテレビドラマでも活躍。NHK「赤ひげ」「勝海舟」などの他、刑事ドラマ〈牟田刑事官事件ファイル〉シリーズの牟田一郎刑事官役、〈弁護士・朝日岳之助〉シリーズの朝日岳之助役といった、2時間ドラマの主役でもお茶の間に親しまれた。41年にはワイドショー「おはよう・にっぽん」の司会を務めたこともある。平成21年「星の国から孫ふたり」に友情出演したのが遺作となった。昭和60年紫綬褒章、平成6年勲四等旭日小綬章を受章。他の出演作に、映画「ここに泉あり」「名もなく貧しく美しく」「われ一粒の麦なれど」「白と黒」「けものみち」「首」「激動の昭和史 軍閥」「激動の昭和史 沖縄決戦」「日本沈没」「わが青春のとき」「連合艦隊」「父と子」「ゴジラ」「愛する」「母のいる場所」、ドラマ「風と雲と虹と」「徳川家康」「春の波涛」「江戸の旋風」「冬の桃」「かりん」「山田風太郎からくり事件帖」「拝啓、父上様」などがある。スタジオジブリのアニメ映画「耳をすませば」では、主人公の恋人の祖父役を演じた。

受賞
紫綬褒章〔昭和60年〕,勲四等旭日小綬章〔平成6年〕 キネマ旬報賞(主演男優賞 昭35年度)「黒い画集」,ブルーリボン賞(主演男優賞 昭39年度)「われ一粒の麦なれど」,テレビ大賞(個人優秀賞)〔昭和58年〕「赤ひげ」,NHK放送文化賞(第38回)〔昭和62年〕,橋田賞(第3回)〔平成7年〕,山路ふみ子映画賞(功労賞 第23回)〔平成11年〕 毎日映画コンクール男優助演賞(昭30年度)「ここに泉あり」,毎日映画コンクール男優主演賞(昭33年度 35年度 38年度 平11年度)「裸の大将」「黒い画集」「江分利満氏の優雅な生活」「あの、夏の日〜とんでろじいちゃん」

没年月日
平成22年 9月16日 (2010年)

伝記
演技者―小林桂樹の全仕事あの日あの夜 小林桂樹 草壁久四郎著森繁久彌(発行元 ワイズ出版東京新聞出版局 ’96’86発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

367日誕生日大事典 「小林 桂樹」の解説

小林 桂樹 (こばやし けいじゅ)

生年月日:1923年11月23日
昭和時代;平成時代の俳優

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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