金巾(読み)カナキン

デジタル大辞泉 「金巾」の意味・読み・例文・類語

カナキン【金巾】

《「カネキン」とも》綿布の一。固くった糸で目を細かく織った薄地の広幅綿布。→キャラコ

カネキン【金巾】

カナキン

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精選版 日本国語大辞典 「金巾」の意味・読み・例文・類語

カナキン【金巾】

〘名〙 (canequim)⸨カネキン・カネキヌ⸩ 堅く縒(よ)った糸で織った、目の細かい、薄地の綿布。普通平織で、二七番手以上の綿糸を使う。使用糸の番手にしたがって呼び方も種々あり、用途も広い。敷布裏地・肌着用。キャラコ、プリントクロスモスリン、パーケルの呼び名もある。
御伽草子・強盗鬼神(室町時代短篇集所収)(江戸初)上「ゑちごの雪ざらし・かねきん〈略〉山のごとくにつみたくはへ」
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初「田舎いしゃの書生と見へ、かなきんの白きつつぱうのあかじみしをはだに着て」

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改訂新版 世界大百科事典 「金巾」の意味・わかりやすい解説

金巾 (かなきん)

平織綿織物一種語源ポルトガル語のカネキンcanequim。日本へは16世紀にポルトガル船によりインド産のものがもたらされた。細めの綿単糸を用いて緻密に織り,糸使いの番手や密度によって種類は多い。生金巾,晒(さらし)金巾,綾金巾,色金巾,更紗さらさ)金巾など,また幅によって並幅金巾,二幅金巾,三幅金巾などがある。特に羽二重金巾はガス焼き仕上げの優良薄地平金巾で,綿キャンブリックやキャラコ同類である。丈夫で使いやすい実用綿布で,おもに裏地,染め加工地,シャツ地,敷布,エプロンハンカチ,足袋などのほか,工業用にも広く用いられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金巾」の意味・わかりやすい解説

金巾
かなきん

ポルトガル語のカネキンcanequineから出たことばといわれ、15、16世紀ごろに南方から舶来された綿織物をさすことから使われてきた。一般には30~40番手の綿糸で平織にした薄織物をさす。とくに細番手(40番手以上のもの)で、漂白したのち糊(のり)付け加工・ロール(圧延)加工したものをキャリコ(キャラコ)、キャンブリックとよんでいる。種類は、幅の広狭によって二幅、並幅、三幅金巾(一幅とは鯨(くじら)1尺=約38センチメートル)などや、加工によって晒(さらし)金巾、色金巾、更紗(さらさ)金巾(捺染(なっせん)金巾のことをさす)などがある。これらは衣料として広く用いられ、白足袋(たび)、割烹着(かっぽうぎ)などは古くからよく知られ、小幅のものはモス裏として和服の裏地に使われてきた。現在では高級化の指向が強く、ブロード地へ移行しており、シーツ地によく使われている。

[角山幸洋]

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百科事典マイペディア 「金巾」の意味・わかりやすい解説

金巾【かなきん】

綿織物の一種。ポルトガル語のカネキンcanequimに由来するという。普通は平織の広幅物であるが綾(あや)金巾や紋金巾もある。漂白してない生金巾,さらし金巾,色金巾,プリントなどがある。天竺(てんじく)木綿より薄地で,着物の裏地,シャツ,シーツ,エプロンなどにする。
→関連項目キャラコ平織

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金巾」の意味・わかりやすい解説

金巾
かなきん

キャラコ」のページをご覧ください。

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