クロス(読み)くろす(英語表記)Charles Frederick Cross

日本大百科全書(ニッポニカ)「クロス」の解説

クロス
くろす
Charles Frederick Cross
(1855―1935)

イギリスの有機化学者。ブレントフォールドの生まれ。ロンドンのキングズカレッジ、チューリヒ大学チューリヒ工科大学に学び、1878年ロンドン大学を卒業。繊維の漂白、セルロース、リグニンなどに関する研究を行った。1892年ビーバンEdward John Bevan(1856―1921)とともにビスコース繊維を発見、製造の特許を得た。さらにセルロースエステルを発見した。パルプ、製紙業界の化学的指導を行い、レーヨン工業の技術的基礎をつくった。1916年に「著しい化学工業に対する貢献」に対し化学工業協会からリサーチメダルを贈られ、1918年には染色家色彩専門家協会Society of Dyers and Colouristsのメダルを受賞。さらに化学工業協会から応用化学分野で産業の進展に功績のあった在米科学者に贈られるパーキンメダルを1923年に受賞した。

[川野辺渉]

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367日誕生日大事典「クロス」の解説

クロス

生年月日:1823年5月30日
イギリスの政治家
1914年

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「クロス」の解説

クロス
Cross, Frank Leslie

[生]1900.1.22. ホニトン
[没]1968.12.30.
イギリス国教会の神学者。オックスフォード大学の宗教哲学教授 (1944) 。クライスト・チャーチの参事 (44) 。比較宗教学などに幅広い学識をもっていたが,とりわけ教父学の分野で活躍し,1951年から国際教父学会議を組織した。"The Oxford Dictionary of the Christian Church" (57) 編集者。主著は『教父学概説』 The Early Christian Fathers (60) のほか"Religion and the Reign of Science" (30) ,"J. H. Newman" (33) ,"Anglicanism" (35,共著) など。

クロス
Cross, Henri Edmond

[生]1856.5.20. ドゥエ
[没]1910.5.16. サンクレール
フランスの画家。リールの美術学校で学び,1876年パリに出てマネの影響を受ける。 84年サロン・デ・ザルチスト・ザンデパンダン (→アンデパンダン展 ) の創立者の一人となり,G.スーラおよび P.シニャックと交わる。まもなくスーラの新印象主義理論を取入れて点描法による絵画を制作。主要作品『糸杉』 (1891,パリ国立近代美術館) 。

クロス
Cross, Richard Assheton, 1st Viscount Cross

[生]1823.5.30. ランカシャー
[没]1914.1.8. ランカシャー
イギリスの政治家。 1857年保守党議員として下院に進出。 60年銀行業に従事。 74~80年 B.ディズレーリ内閣の内相として各種の内政改革立法に貢献した。 85~86年ソールズベリー内閣の内相。 86~92年インド担当相。 86年子爵を授かる。 95~1900年国璽尚書。ビクトリア女王の個人的助言者でもあった。

クロス
Cross, Charles Frederick

[生]1855.12.11. ブレントフォード
[没]1935.4.15. ホーブ
イギリスの有機化学者。ロンドンのキングズ・カレッジ,チューリヒのスイス連邦工科大学およびマンチェスターのオーウェンズ・カレッジなどで学んだ。 1892年 E.J.ベバンとともにビスコースを発見した。その後もセルロースの研究に専念し,人造絹糸工業の基礎をつくった。ロイヤル・ソサエティ会員 (1917) 。

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精選版 日本国語大辞典「クロス」の解説

クロス

〘名〙 (cross)
※西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初「入船(いりふね)のくろすを見るやうな言葉をしやがっておつうなまぎきなたわ言をききやがる」
② (━する) 道や線路が交差すること。
※高架線(1930)〈横光利一〉「高架線と交錯(クロヲス)してゐる地下鉄道の作業場」
③ テニス、卓球バレーボールなどで、コートの対角線上に打つボール

クロス

〘名〙 ⇒クロース

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デジタル大辞泉「クロス」の解説

クロス(cross)

[名](スル)
交差すること。「道路がクロスする」
テニス・卓球・バレーボールなどで、コートの対角線方向に打つボール。また、その球筋。
十字架。クルス。
サッカーで、サイドからゴール前にパスを送ること。また、そのパス。センタリング

クロス(cloth)

《「クロース」とも》
織物。布地。
書物の装丁に用いる加工した布。綿布やスフ織物に特殊な塗料を塗して用いる。「クロス装」
テーブルクロス」の略。
室内の壁面・天井に貼る布や紙など。壁紙。「クロス仕上げ」

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世界大百科事典 第2版「クロス」の解説

クロス【Charles Cros】

1842‐88
フランスの詩人,発明家。クロとも呼ばれる。独学で東洋語や物理学,機械学を身につける。ベルレーヌリラダンなどと交流し,ユーモアと不条理にみちた詩的作品を発表したが,生前は世に認められず,死後50年を経てから,ブルトンらシュルレアリストたちによって再評価された。主著《白檀の小筐》(1873),《河》(1874)など。なお,一種の色彩写真(1869)や蓄音機(パレオフォン)を発明したことでも知られ,後者はエジソンに先立つものとして評価されることもある。

クロス【Charles Frederick Cross】

1855‐1935
イギリスの化学者。ロンドン大学,チューリヒ大学に学び,ロンドンで化学コンサルタント会社を経営,1892年E.J.ベバンらとともに,セルロースを苛性ソーダと二硫化炭素で処理することにより粘液化,これを酸処理することによってセルロースが再生することを発見,のちの再生人造絹糸工業の基礎技術〈ビスコース法〉を提示した。1900年代にこの方法をもとにした工業生産の技術が相次いで開発され,ビスコース・レーヨンの本格的製造が始まった。

クロス【cross】

証券取引所における売買取引手法の一つ。同一証券会社がある銘柄につき買注文と売注文をもっているとき,自社内で付き合わせるのではなく,取引所に出して売買を成立させる取引をいう。クロス取引を行うことを〈クロスを振る〉という。証券取引所はその定款において会員に市場集中義務を課しており,また証券取引法も,取引所における売買取引の受託を受けた会員が,その売買を自己相手方となって市場外で成立させることを禁じている。

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世界大百科事典内のクロスの言及

【ハエ(蠅)】より

…また俗信としてフランスでは〈聖金曜日にニシンをつるしておくとハエが家に入らぬ〉という。19世紀の詩人C.クロスの作品の中でもっとも人口に膾炙(かいしや)している《燻製ニシン》という詩の場合にも,その底ではおそらくこうした俗信とかすかにつながっているのであろう。ハエに関する文学としては中国に,宋の欧陽修の《憎蒼蠅賦》があり,イギリスのW.ブレークの《蠅》がある。…

【交雑】より

交配のうちとくに雑種の形成を目的として行われるものをいう。狭義には特定の遺伝子およびその対立遺伝子に関してそれぞれ同型(ホモ)であるような2個体間の交配をいうが,一般には遺伝的構成の異なる2個体間の交配についてもこの語を用いることが多い。この場合には生じた雑種第1代F1は遺伝子型,表現型とも必ずしも同一になるとは限らない。【阪本 寧男】…

【十字】より

…2本またはそれ以上の線が交差している図形の総称。古くから宗教的象徴として用いられてきたもので,その形状により主として次の4種類に分けられる。 (1)中心から広がる4本の線の長さが等しい正十字(またはギリシア十字),マルタ十字とよばれるものなど。この十字はアッシリアでは天空神アヌの象徴で,円と8本の光線を伴い太陽や星をあらわすものとしても使用され,ギリシアでは太陽神アポロンの象徴,ローマでは星の輝きをあらわすものとされた。…

【交配】より

…生物の雌雄の生殖器官の合着(かけ合わせ)によって,次の世代ができること。交雑ともいうが,交雑は後述の異系交配と同じ意味で用いることが多い。多くの動物では,交配によって子孫を作ることが古くから知られていた。しかし植物では一見行動を伴わないので,一般の植物にも雌雄性があってその交配によって種子ができることに近代まで気づかなかった。ただ,古代バビロニアでナツメヤシが雄株の花粉によって雌株に実を結ぶことが知られていた例もある。…

※「クロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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