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γ線天文学 ガンマせんてんもんがくγ-ray astronomy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

γ線天文学
ガンマせんてんもんがく
γ-ray astronomy

宇宙からやってくる電磁波のうちγ線によって,天体の高エネルギー領域での活動を研究する天文学の分野。γ線源には太陽フレアクエーサー中性子星などがある。γ線はX線と同様,波長が短く,地球の大気によって吸収されてしまうので,観測は気球ロケット人工衛星を使って行なわれている。

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デジタル大辞泉の解説

ガンマせん‐てんもんがく【γ線天文学/ガンマ線天文学】

宇宙から来るγ線を観測し、天体や宇宙物理現象を研究する天文学の一分野。数百キロ電子ボルトから数十ギガ電子ボルトのγ線は主に人工衛星や気球で観測が行われる。100ギガ電子ボルト以上のγ線は超高エネルギーγ線と呼ばれ、大気などとの反応により生じるチェレンコフ光を観測する。γ線を放射する主な天体として、パルサー超新星残骸活動銀河核のほか、未だ正体が明らかになっていないγ線バーストなどがある。

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百科事典マイペディアの解説

γ線天文学【ガンマせんてんもんがく】

宇宙からのγ線を観測して宇宙におけるさまざまな現象を研究する天文学の一分野。1970年代に人工衛星を利用して始まった比較的新しい分野だが,宇宙空間において数秒から数十秒という短時間に大量のγ線が放射される現象(γ線バースト)が発見されるなど,高エネルギー現象の解明のうえできわめて重要なものとなっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ガンマせんてんもんがく【γ線天文学 γ‐ray astronomy】

エネルギーが数百keVより高い電磁波(γ線)による天文学。このようなγ線は,宇宙線(高エネルギー原子核)が星間ガスと衝突してつくり出す中性π中間子の崩壊や,宇宙線電子(高エネルギー電子)の星間ガスとの衝突による制動放射,星の光との衝突による逆コンプトン効果でつくられると考えられている。しかしながら,その強度が非常に微弱であるため,宇宙線自身およびそれが大気中や観測器の中でつくる二次γ線に妨げられてその検出は困難をきわめた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

γ線天文学
がんませんてんもんがく

宇宙からくるγ線を観測して天体現象を研究する天文学の新分野。γ線は透過性が強い放射線で、波長の短い電磁波である。その波長は可視光線の5万分の1以下、エネルギーに換算すると数百キロ電子ボルト(keV)以上の電磁波をさすことが多い。
 γ線天文学はX線天文学より早くから注目されていたが、宇宙からくるγ線の強度が弱いことと、検出の困難さのため、急速には発展しなかった。その後、ヨーロッパやアメリカでγ線天文衛星が打ち上げられ、活動性の高い天体からγ線が観測されるようになった。最近では地上の空気シャワー方式で、1兆電子ボルト程度の超高エネルギーγ線が、BL Lacタイプの活動銀河や周期の短い単独のパルサーからの観測に成功している。
 今日では、回転エネルギーを使ってX線も放出している若いパルサーや活動銀河核からγ線が観測されている。そのなかで、かに星雲のパルサーから発生するものは典型的なものであり、銀河系のγ線源の多くは、超新星の残骸(ざんがい)に関係していることが明らかになってきた。宇宙でのγ線は高温・高エネルギー状態にある天体や、高エネルギー粒子の衝突でつくられるとされている。したがって、中性子星やブラック・ホールを伴った天体がγ線の発生に関与していることが考えられる。このほか、広がった空間や背景放射のγ線も観測されている。これらは高エネルギー粒子の衝突で発生するγ線とか、高エネルギー電子が寄与するγ線と解釈されている。最近では、巨大ブラック・ホールをもつ活動銀河核から放出されるジェットに伴ったγ線も観測されている。
 宇宙γ線源のうち、普段はγ線はもちろんのこと、電波も光も検出されていない天体のなかに、数秒間爆発的にγ線を放出するものがある。これをγ線バーストとよぶ。γ線バーストの存在は1973年に発表され、それ以降、2000個以上みつかっているが、短時間しか放射されないため、その位置をつきとめることが困難である。2000個以上に及ぶγ線バーストの天空での分布は、全天に一様である。このことからγ線バースト源は銀河系外の遠い天体からのものであると考えられている。最近、数分角の位置精度で決めたγ線バーストの方向を、爆発の数時間後にX線や光で観測したところ、かすかな残光がみつかったものがある。しかし、その方向に既知の天体や銀河はみつかっていない。γ線バーストの正体はまだ謎に包まれている。[松岡 勝]

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