日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイビー」の意味・わかりやすい解説
アイビー
あいびー
ivy
[学] Hedera
ウコギ科(APG分類:ウコギ科)のつる性の常緑低木。気根を出して地面をはったり、他物につき、はい登る。葉は互生し、3~12に深裂または浅裂する。花は帯緑色で散房状につき、萼片(がくへん)、花弁、雄しべは各5個である。子房は5室で、花柱は短柱状、液果は3~5個の種子をもつ。原種はH. canariensis、H. colchica、H. formosana、H. helix、H. nepalensis、H. rhombeaの6種があり、園芸品種は数百種にも及び、カナリエンシス種とコルチカ種との交雑種および変種とヘリックスの改良種が多い。ロムベアは和名キヅタとよび、自生地によって形態に差がある。
日本では約100種が栽培される。鉢栽培、盆栽として古くから親しまれる。耐寒性が強く、直射日光を受けない陰地でも育つので、室内植物または地被植物としてよく利用される。真夏の暑さには一時的に成長が緩慢になる。繁殖は挿木によるが、夏と冬は避け、4~5月および9~10月が望ましい。新梢(しんしょう)を2、3節のところで切り、赤土、川砂などの挿床に挿し、半日陰で育て、3週間ほどして発根したものを、鉢または露地に定植する。
[猪股正夫 2021年11月17日]