デジタル大辞泉
「蔦」の意味・読み・例文・類語
つた【×蔦】
1 ブドウ科の落葉性の蔓植物。吸盤のある巻きひげで木や岩に固着する。葉は卵形で、ふつう三つに裂けており、秋に紅葉する。夏、黄緑色の小花が集まって咲き、実は黒紫色に熟す。日本・朝鮮半島・中国に分布。なつづた。《季 秋》「―植ゑて竹四五本のあらし哉/芭蕉」
2 紋所の名。ツタの葉をかたどったもの。鬼蔦・中陰蔦・結び蔦など。
3 ツタの葉に似せたひもの結び方。つたむすび。
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つた【蔦】
〘名〙
① ブドウ科の落葉性つる植物。各地の
山林、岩壁、
石垣などに生え、秋の紅葉が美しく
盆栽にしたり壁や石垣などにはわせる。葉の反対側に巻ひげが出るが二節続いて出ると次の
一節には出ない性質がある。また巻ひげは小形で枝分れし先端に吸盤があって、他物に吸着する。葉は
長柄をもち掌状に二~三裂するか、卵形の三個の小葉からなる。夏、短枝の先端に短い花序を出し黄緑色の小さな五弁花を集める。果実は
球形の液果で紫黒色に熟す。
和名は、伝うの意からという。漢名、爬山虎。地錦。なつづた。つたもみじ。紅葉づた。《季・秋》
※
万葉(8C後)二・一三五「さ寝し夜は い
くだもあらず 這ふ都多
(ツタ)の 別れし来れば」
※俳諧・野ざらし紀行(1685‐86頃)「蔦植て竹四五本のあらし哉〈芭蕉〉」
② 紋所の名。蔦の葉をかたどったもの。蔦、蔦の花、中陰蔦、結び蔦などがある。
※雑俳・柳多留‐
一一(1776)「ぬけ参り蔦に取つき登る也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
蔦[温泉] (つた)
青森県中央部,十和田市の旧十和田湖町にある温泉。八甲田火山群の山懐にあり,周囲をブナの原生林につつまれた閑静な温泉地である。泉質はボウ硝泉,泉温52℃。この地を愛し,幾度となく訪れた大町桂月の墓がある。付近には蔦沼をはじめとする〈蔦の七沼〉があり,新緑や紅葉の季節には観光客でにぎわう。東北本線青森駅からバスの便があるが,冬季は運休する。
執筆者:横山 弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
蔦 (ツタ)
学名:Parthenocissus tricuspidata
植物。ブドウ科の落葉つる性植物,園芸植物
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報